【動画あり】鶴見のサバ缶開発へ 佐伯市と海洋科学高がタッグ

西日本新聞 大分・日田玖珠版

 佐伯市と県立海洋科学高(臼杵市)が、佐伯市鶴見産のサバを使ったサバ缶の新商品開発に取り組んでいる。人気が高まっているサバ缶商戦に新たな名乗りを上げるとともに、“地産地消”の災害備蓄食料として活用することも視野に置く。同校にとっては実践的な教育の機会にもなり、双方にメリットのあるコラボが実現した。秋には試作品が完成の見込みで、年内の製品化を目指している。

 同校の実習室で7月11日、第1回試作会が開かれた。作業するのは海洋科食品コースの3年生10人。解凍したサバをぶつ切りにして塩水に漬けた後、缶に詰めて蒸し器で蒸す。蒸し上げた缶から肉汁や油を捨てた後、7種類の調味料を加えて機械で密閉、加熱殺菌して熟成させる。

 一連の作業を、佐伯市でフランス料理店を営むシェフの河野辰也さん(52)が見守った。7種類の調味料は全て河野さん考案のレシピだ。定番のしょうゆ味に始まり、カレーやアヒージョ(ニンニク風味のオリーブオイル煮)風、トマトバジルと、シェフならではのラインアップ。「6月から毎日、市販のサバ缶を食べてレシピを考えた」という河野さんは、プロジェクトを主導する佐伯市鶴見振興局の依頼に応えて参加した。

 佐伯市は県内一の水産基地で、2018年度の水揚げ量は約1万7千トン。このうち巻き網漁で捕るサバは5千トンを超え、イワシに次ぐ量がある。この特産のサバで新たな付加価値商品を開発しようと、近年健康に良いとして人気急上昇のサバ缶に目を付けた。

 新商品は、パッケージデザインを専門業者に依頼し、市場投入できるレベルまで完成させた後、県内の流通業者に販売・製造を引き継いでもらう計画だ。

 鶴見振興局はサバ缶を、災害備蓄食料に活用することも検討している。豊後水道に面する同市は南海トラフ地震の際には大きな津波被害が想定され、防災・減災意識は高い。同市は物資の備蓄を計画的に進めており、食糧品はアルファ化米、粉ミルク、飲料水の3品目を既に計画量の100%積み上げている。

 振興局が目指すのは、これに独自の備蓄品として自治会や振興局がサバ缶をそろえることだ。河野シェフが7種類もの調味料を考案したのも災害備蓄品を想定してのこと。「同じ味では飽きる。災害でシュンとなっているときこそ、味のバリエーションとおいしさが大事」という。

 「缶の中で熟成してどんな味になるか、後は祈るだけ。改良を進め種類も絞りながら完成させていく」。河野さんにとっても初めてのチャレンジは始まったばかりだ。

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