長崎新幹線「全線フル規格」 与党検討委「適当」と結論

西日本新聞 社会面

 九州新幹線西九州(長崎)ルートで未着工の新鳥栖-武雄温泉について、自民、公明両党は5日の与党検討委員会で、建設中の同ルート武雄温泉-長崎や山陽新幹線などと同じ「フル規格」の複線で建設することが「適当」との結論をまとめた。また、整備のあり方について、国土交通省、JR九州、長崎県、佐賀県の4者による協議を提案。建設反対姿勢を崩さない佐賀県に対し、協議参加を要請した。

 フル規格の複線とした理由について、検討委は「建設費は大きいが、整備効果が最大限発揮される」などとした。

 焦点となっている佐賀県の負担軽減策や、その具体的な財源、並行する在来線の経営をどうするかといった課題には言及しなかった。具体的な経路について「JR佐賀駅経由が適当」と明記する方向で調整したが、佐賀県内に異論があることに配慮し、結論から外した。

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■佐賀県反発、着工見通せず

 佐賀県の強固な反対姿勢に、与党は多くの課題を先送りした。「フル規格」との結論だけは決めたものの、同県は頭越しだと反発。着工は全く見通せない。

 「中央の押しつけがあってはならない」。佐賀県の山口祥義知事は5日、検討委の山本幸三委員長から会合前の同日午前に電話を受け、こうくぎを刺したことを記者団に明かした。山本氏は6日に佐賀県の桃崎峰人議長を訪問し、「フル規格」との結論を伝える意向だが、山口氏との面会の予定はない。

 中でも「佐賀駅経由」が明記されなかったことで、与党が目指す環境影響評価(アセスメント)関連費用の2020年度予算計上は難しくなった。具体的な経路が定まらなければ、アセスを実施しようがないからだ。関係者によると、結論の原案には明記されたが、山本氏が直前に削除した。

 新鳥栖-武雄温泉の具体的なルートについて、佐賀県内にはさまざまな案がある。「経路は十分議論していない」「予算化をこれ以上遅らせるわけにはいかない」-。出席者によると、会合では県内世論に配慮する佐賀県関係議員と、早期着工を目指す長崎県関係議員で激しい応酬があった。一方で、佐賀県の負担軽減策やその財源についての踏み込んだ議論はなかったという。「この1年、何を議論したんだと批判されても仕方のない結論だ」。検討委メンバーの一人は嘆く。

 迷走が続く議論。「アセス費用が20年度予算に盛り込まれるよう引き続き働き掛ける」。長崎県の担当者は戸惑った様子で話した。

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