絵本と衣装 広がる世界 「おいでよ!絵本ミュージアム」 ひびのこづえさんインタビュー

西日本新聞

小さな子に人気の「はらぺこあおむし」の展示 拡大

小さな子に人気の「はらぺこあおむし」の展示

絵本作家のきくちちきさん(中央)が絵を描く様子を間近で見た 「もこもこもこ」の展示 ぷかぷかと浮かぶバルーンドレスを試着するこども記者たち ひびのこづえさん(左)に展示会場を案内してもらうこども記者たち 会場には子どもが見上げるほど大きな衣装も展示されている

 子どもたちに読書の楽しさを伝える「おいでよ!絵本ミュージアム2019」(福岡アジア美術館)と、NHK・Eテレの番組などに登場するユニークなデザインの衣装作りで知られる、ひびのこづえさんの作品展(三菱地所アルティアム)が福岡市で開かれています。第9期のこども記者8人が2チームに分かれて、展示の見どころや発想法などを取材しました。

【紙面PDF】絵本と衣装 広がる世界

 ●「おいでよ!絵本ミュージアム」 わくわくドキドキの世界へ 絵本は思い出の「宝箱」

 会場では子どもたちがはしゃぐ声がこだましていた。最初の見どころは、動物が主人公の「ぼくだよ ぼくだよ」などの作品で知られる絵本作家、きくちちきさんのコーナーだ。
 取材した日はきくちさんが来場者の前で壁面に絵を描く特別イベントが開かれていた。きくちさんは大胆な筆づかいで、生き生きとした表情の犬や猫の姿を仕上げていった。長島康朗記者は制作中のきくちさんがずっと笑顔だったことが印象に残った。「自分が楽しく描くことが素晴らしい絵本を生み出すことにつながっている」と気付いた。

 ■子ども目線で

 エリック・カールさんの「はらぺこあおむし」のコーナーでは、立体化された「あおむし」を2歳ぐらいの子たちが「おっきいね」と見上げていた。河野由奈記者は「どのくらいの大きさの展示にすれば子どもが喜ぶかよく考えられている」と感心した。
 デジタル技術を使った展示も楽しんだ。「もこ もこもこ」(文・谷川俊太郎)では、マイクに向かって同じ言葉を続けて話すと声の強弱やリズムでスクリーンにさまざまな色や形が映し出された。液晶画面を指でなぞると絵の上にお話の文字が浮かび上がる展示も目を引いた。
 松尾のどか記者は、マイクや画面の高さが小さな子どもの身長に合わせてあることに「大人の力を借りずに小さな子が自由に遊べるように会場が作られている」と感じ、子どもたちがはしゃぐ理由が分かった。

 ■もっと絵本を

 2007年の第1回からこの展覧会の構成を考えている、NPO法人「子ども文化コミュニティ」の高宮由美子代表理事に話を聞いた。高宮さんは「色、絵、お話という絵本が持っているさまざまな要素を生かした会場づくりを心がけている」と話し、「展示をきっかけに、さらにもっと絵本を読んでくれたらうれしい」とほほえんだ。
 飯田桃子記者は「会場で絵本を広げると、幼い頃と変わらないわくわくドキドキする気持ちになれた」、石橋明璃記者は絵本を広げている親子の姿に「絵本は家族の思い出がつまった宝箱だ」とそれぞれ思った。

 ▼NTT西日本スペシャル おいでよ!絵本ミュージアム2019 18日まで、福岡市博多区下川端町の福岡アジア美術館。入場料は一般1000円、高大生700円、小中生500円。未就学児は無料。会期中無休。同美術館=092(263)1100。

 ●コスチューム・アーティスト ひびのこづえさんインタビュー 色の組み合わせ 自然を参考に 物語からデザイン考案

 コスチューム・アーティスト、ひびのこづえさんはNHK・Eテレ「にほんごであそぼ」など子ども向けの番組の衣装も手掛けてきた。小さいころからその作品に親しんできたこども記者3人がひびのさんにインタビューした。
 衣装作りの世界に入ったきっかけを長嶺実咲記者が聞いた。大学でグラフィックデザインを勉強していたひびのさんは、あるとき絵を服に描いてみたという。友達がその服を着てくれて、「絵で見せるより、服にして着て見せる方がおもしろい」と思ったそうだ。長嶺記者は「自分の未来を切り開いていてすごい」と感じた。
 太田美海記者がこれまでで一番大変だった仕事を尋ねると「新しいものを作るときは毎回大変。だけど、できてしまうとすごく楽しかったと思える」と目を細めた。お客さんのいない夜中に商業施設で作品を飾るような仕事もあるそうだ。
 ひびのさんのカラフルな作品を「すてきだな」と思っていた鶴田真菜記者は、色を組み合わせるこつを聞いた。ひびのさんは「海や山、空の雲や庭の鳥など、自然の中はきれいなバランスになっているのですごく参考にしている」という。
 衣装のデザインは、一緒に作品を作る仲間と考える物語から生まれることもあるそうだ。「にほんごであそぼ」でハワイ生まれのKONISHIKIさんが演じるコニちゃんの衣装には、全身にぼこぼこした山のような突起が付いている。ひびのさんは「ハワイの火山が噴火し、溶岩が日本に飛んできたというみんなで考えたお話をもとにデザインした」と教えてくれた。
 衣装を作っていて良かったと思うことは「着てくれる役者さんなど、いろんな人と出会えたこと」とひびのさん。楽しそうに質問に答えてくれた笑顔が印象的だった。

 ▼ひびのこづえ展「みる・きる・つくる」 25日まで、福岡市・天神のイムズ8階三菱地所アルティアム。ダンス作品「不思議の国のアリス」や劇作家野田秀樹さん演出の6作品で俳優が着用した衣装など70点以上を展示。バルーンドレスの試着もできる。入場料は一般400円、学生300円、高校生以下は無料。会期中無休。アルティアム=092(733)2050。

PR

PR

注目のテーマ