米、中国を為替操作国認定 25年ぶり 対立新たな段階に

西日本新聞 一面

 【ワシントン田中伸幸、北京・川原田健雄】米財務省は5日、中国が輸出競争力を不当に高めるため人民元安を容認したとして、25年ぶりに中国を為替操作国に認定した。国際通貨基金(IMF)に働き掛けて是正を求めるなど対中圧力を強める方針だ。一方、中国商務省は6日、中国企業が米国の農産品の購入を一時停止したと発表。追加関税をかけ合う米中の制裁合戦は通貨政策なども含めた新たな段階に入った。

 トランプ米大統領は既に、ほぼ全ての中国製品に追加関税をかける「第4弾」制裁を9月1日に発動すると発表したが、今回の為替操作国認定に伴い、追加関税の税率を「第4弾」の10%から25%に引き上げることも検討する見通し。米中対立がさらに激化すれば、世界経済に深刻な影響を与えるのは必至だ。

 米国はこれまで中国を日本などと同様に通貨政策の「監視対象」に指定していたが、元が対ドルで約11年ぶりの安値をつけたことから認定に踏み切ったとみられる。トランプ氏はかねて「中国が為替操作をしている」と批判し、為替操作国の認定を模索していた。

 米財務省は5日に発表した声明で「中国当局が貿易面で優位になるよう元安に誘導している」と指摘。競争的な通貨切り下げは中国の公約にも反しており、不公正を是正するためIMFに協力を求めるとした。

 これに対し中国人民銀行(中央銀行)は6日、「(元安は)貿易摩擦が激化する中、市場の需給と変動が反映されたものだ」と反論。米国による今回の認定を「保護主義的な行為で国際ルールを破壊し、世界経済に大きな影響を与えることになる」と批判した。

 米農産品の購入停止は、米国をけん制する交渉カードを温存するためとみられ、中国政府はハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)の輸出規制や、大量に保有する米国債の売却も検討する。交渉カードをちらつかせながら米側の譲歩を引き出す構えだ。

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