暑い日の料理にも!ポリ袋で楽しむ発酵食で、簡単・時短の美味しい菌活

西日本新聞

『ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ』杵島直美著 拡大

『ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ』杵島直美著

 恥ずかしながら今まで、スーパーで売っている「塩麹(こうじ)」は便利に使えても、「板麹」はどうやって料理に取り入れるのかピンとこなかった。本書では、その板麹を利用した料理のレシピはもちろんのこと、板麹を使った自家製の塩麹やみその作り方まで学べる。しかもそれが、ジップ式のポリ袋で作れるのだ。
 
 昨今流行のポリ袋調理。手軽に味をなじませることができるし、手もあまり汚れない。洗い物も少なくてすむ。忙しい現代にマッチした調理方法だ。しかし、これを「発酵食」に使うという切り口は斬新かもしれない。なるほど、発酵は基本的に時間がかかるため、漬ける時間が必要だ。だから下ごしらえをしてジッパーの付いたポリ袋で漬けておけば、後は食べる時に切るだけ、焼くだけ、煮るだけの究極の作り置き料理。ぬか床もしかり。ポリ袋を使えば冷蔵庫の中で場所も取らないし、袋ごと揉んでしまえばいいので、毎日手を汚してかき混ぜる必要もない。

 発酵食と一口に言ってもさまざまだ。本書では白菜漬けやキムチなどの代表的な発酵食から、独自の「発酵床」を使った料理まで幅広く紹介している。発酵床と聞くと難しそうだが、ポリ袋に材料を入れて混ぜるだけなので簡単だ。しかもしょうゆやみりん、酢など普段使う調味料をベースにしたものも発酵床。しばらく漬けておくことでおいしくなるのだから、そういえば発酵食だと改めて認識させられた。

 レシピのメニューにはおなじみのものも多く、普段の食生活に取り入れやすい健康食が並ぶ。ヨーグルトとマヨネーズの発酵床にエビを漬けておくなど、目からウロコの料理もあり。ゴーヤーもおひたしにするとどうしても苦みが勝ってしまうが、みりんベースの発酵床に漬けておくだけでまろやかになるから驚きだ。

 メニューのひとつ、「いかの塩辛」に、「母から教えてもらった」とある。すごいお母さんだなと感心していたら、著名な料理研究家である村上昭子さんの娘とあり納得。母から受け継いだ味を、より簡単なポリ袋で作るレシピに改良することで、ずっと続いていく形に変えるという行為に感動を覚えた。料理の研究とは、まさにこういうことを言うのだろう。


出版社:青春出版社
書名:ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ
著者名:杵島直美
定価(税込):1,361円
税別価格:1,260円
リンク先:http://www.seishun.co.jp/book/21207/

西日本新聞 読書案内編集部

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