父見捨てた罪悪感、今も 「平和への誓い」読み上げた山脇さん

西日本新聞 夕刊

平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる山脇佳朗さん=9日午前11時15分、長崎市 拡大

平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる山脇佳朗さん=9日午前11時15分、長崎市

 平和祈念式典で被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた山脇佳朗さん(85)=長崎市=は、父の「最期」の姿を語った。火箸で頭の部分に触れると、頭の骨は石こう細工が崩れるように割れたという。「白濁した半焼けの脳が流れ出したのです」

 あの日、爆心地から2・2キロの自宅で爆風を受け、ガラス片が体に突き刺さった。翌日、兄と弟の3人で、勤務先の工場で爆死している父を見つけた。木片を集めて荼毘(だび)に付したが焼ききれず、怖くなってそのまま逃げた。父の遺骨はない。

 「家族や身内を亡くした人々は、私たちと同じように無残な体験をしなければならなかったのです」

 父を見捨てたとの罪悪感に今なお、さいなまれる。だからこそ講話を続ける。年間約50回。話を聞いた人が気分を悪くすることもある。それでも「克明に語ってこそ悲惨さは伝わる」と信じ、講話を重ねる。

 被爆地・長崎から政府、そして世界に伝える「平和への誓い」の後段で、言葉に力を込めた。「平和憲法を守り、戦争や核兵器もない世界を実現する指導的な役割を果たせる国になってほしい」

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