法王メッセージに期待感 11月長崎訪問予定 強い発信力「被爆者の励みに」

西日本新聞 総合面

 核兵器禁止条約を最初に批准した3カ国の一つ、バチカン市国の元首でもあるローマ法王フランシスコは11月に訪日し、広島と長崎を訪問する予定だ。歴代法王は核廃絶を唱えてきた。今回も核軍縮が後退する現状への危機感を市民と共有し、核廃絶を訴えるメッセージを被爆地から発信してくれるのではないか-。ナガサキでは、世界的な影響力を持つ法王への期待が高まっている。

 9日朝、長崎市の浦上天主堂で営まれた追悼ミサに、きょうだい4人を亡くした被爆者の深堀繁美さん(88)の姿があった。74年前、焼き尽くされた町のあちこちで黒焦げの遺体を見た。「あの光景は言葉で表せない」。同じ思いを胸にとどめる被爆者は少なくない。しかし、世界には核兵器を手放そうとしない為政者もいる。「被爆者の声が届いていない」と深堀さんは思っている。

 法王ヨハネ・パウロ2世の1981年の来日は、今も語り継がれる。広島では「戦争は人間のしわざ」と説き、宗教の違いを超えて共感の輪が広がった。法王は長崎にも足を運んだ。

 長崎市の被爆者養護施設「恵の丘長崎原爆ホーム」は、法王の慰問を機に継承活動に力を入れ始めた。平和学習で訪れる子どもに入所者が体験を語り、証言集を発行している。いま、入所者の平均年齢は89歳。担当職員の鹿山彰さん(53)は「法王の来日は、力を振り絞って平和を訴える被爆者の励みになる」とみる。

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