九州の修復文化財一堂に 九州国博 9月10日から 熊本地震で折れた立像も

西日本新聞 社会面

修復された千手観音菩薩立像(13~14世紀、熊本県・千光寺蔵) 拡大

修復された千手観音菩薩立像(13~14世紀、熊本県・千光寺蔵)

 熊本地震で壊れたものの修理でよみがえった熊本県益城町の千光寺所蔵の「千手観音菩薩(ぼさつ)立像」など、修復された九州・沖縄の文化財を展示する「文化財よ、永遠に」が9月10日、福岡県太宰府市の九州国立博物館4階文化交流展示室で始まる。11月4日まで。

 文化財は傷つきやすい。地震、火事、虫食い…。経年劣化もある。100~200年ごとに適切な点検と修復をしないと、歴史の証人でもある文化財は保存できないという。とはいえ近年の財政難で国も地方自治体も満足な修復予算を捻出できない。そうした中、住友財団(東京)は1991年の設立時から、国内外の文化財維持・修復助成に取り組んできた。2018年度には57件に約1億320万円を助成した。

 助成が計千件を超えた節目として、同財団の助成で修復した文化財の展覧会を全国4博物館で開くことになった。九州国立博物館では29件を展示。千手観音菩薩立像は地震で足元が折れたほか腕の一部が外れたが、福岡県糸島市の工房で約2年をかけて修復した。

 長崎県島原市の本光寺常盤歴史資料館蔵「混一疆理(こんいつきょうり)歴代国都地図」は15~16世紀に作られた世界地図。折り目が裂けていたのを修復した。佐賀県武雄市の貴明寺(きみょうじ)蔵「後藤貴明像」はなぜか白塗りされた顔を元に戻した。会場では修復工程を紹介する映像も上映。研究員の森實久美子さんは「修復の重要性を知るきっかけにしてほしい」と話す。

 九州国立博物館には本格的な修復設備があり、9月14日に「特別公開・修復の現場お見せします」と題するバックヤードツアーを行う。申し込みはメールか往復はがきで8月16日必着。詳細は同館ホームページ。展覧会の観覧料は一般430円、大学生130円。18歳未満と70歳以上は無料。

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