野党の統一会派 「結集の旗印」は何なのか

西日本新聞 オピニオン面

 野党がばらばらのまま、巨大与党に立ち向かっても限界がある。野党で統一会派を結成する意義は決して小さくない。

 しかし、単なる「数合わせ」ではないと言うのなら、その目的と理由を、将来の展望とともに丁寧に国民へ説明すべきだ。

 立憲民主党の枝野幸男代表が国民民主党の玉木雄一郎代表らに衆院での統一会派結成を呼び掛けた。秋の臨時国会までに、立民会派への合流を要請する提案である。立民が掲げる「原発ゼロ」法案や選択式夫婦別姓制度などへの理解を求めたが、唐突な印象は否めない。枝野氏は立民の結党以来、「永田町の数合わせにはくみしない」などとして政党・会派の合従連衡を一貫して否定してきたからだ。

 この、いわば独自路線が、立民と枝野氏の存在感を高めてきたことは確かだろう。同時に、その原則論に固執する姿勢が、国会論戦や国政選挙での野党共闘態勢を弱める遠心力となってしまった側面も否定できない。

 なぜ今、方向転換するのか。枝野氏は「次期衆院選で大きな構えをつくる。こうした戦い方が必要な局面に入った」と説明するが、説得力に欠ける。

 はっきり言えば、先の参院選で予想したほど議席を獲得できなかったからではないか。それは党勢低迷が続く国民民主にも当てはまる。

 比例代表で2人が当選した山本太郎代表の「れいわ新選組」の存在にも刺激を受けたのではないか。政権批判の新たな受け皿となった同党は次期衆院選で台風の目となる可能性もある。野党第1党として危機感が生じたとしても不思議ではない。

 それにしても、なぜ衆院だけの統一会派なのか。その先にはどんな選挙協力や政権構想、ひいては政党レベルの再編があり得るのか。理念と政策に基づく「結集の旗印」をもっと鮮明にしてほしい。

 国民民主にもお家の事情がある。安倍晋三首相は改憲論議で連携できる野党の相手として国民の名を挙げ、秋波を送る。参院の国民は立民との対抗意識が強く、日本維新の会と統一会派を組む動きがある。憲法や原発など基本政策を巡る立民と国民の隔たりも気になる。立民の提案に対し国民は衆参両院での統一会派を逆提案したという。

 仮に立民と国民、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の3党派が合流すれば、衆院で117人の規模となる。足し算で「数の力」は増すが、有権者にしてみれば、勝手に分裂した旧民進党勢力が「元のさやに収まる」かのようだ。そうした疑念や懸念を払拭(ふっしょく)したいのなら、野党再結集の意義と可能性を率直に語ってもらいたい。

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