お客さんにパワーをもらって 20枚目のアルバム発売 渡辺美里さん

西日本新聞

 1986年の「My Revolution」で一躍メジャーになった渡辺美里さん。今月7日、20枚目のアルバム「ID」を出しました。元気が出る歌詞、張りのある歌声と、今回も“美里ワールド”が全開です。デビュー35年目を迎えた渡辺さんに、最新アルバムに込めた思いを聞きました。

 ー節目のアルバムですね。どんな思いを込めましたか。

 ★渡辺 私は、コンサートをやることでお客さんのパワーをいただいて前に進むことができるんですが、一方で、疲れるときも落ち込むときもあります。その両方のベクトルを作品にしています。外に向かって発するエネルギーと、内に秘めた思いや傷ついた心の振り幅が大きいからこそ、結果的に曲を聴いた人から「元気が出る」と言っていただける仕事ができたかなと思います。

 ー作詞も手掛けています。

 ★渡辺 今、ネットなどでたくさんの言葉があふれている時代ですよね。私自身は言葉に割と敏感で、言葉に対して丁寧に接するのが大切だと、この仕事で特に思います。ラジオとかブログで発信し、まして自分の曲であらためてちゃんと届けていかないと、と思うようになりました。

 歌詞を作るとき、書き言葉ではいい詞ができたな、と思っても、発音してメロディーに乗せてみて、ちゃんと聞こえるかどうか、しっかりチェックしますね。メロディーと歌詞と自分の声がはまる形を追求しています。メロディーが先ですが。

 ー「ID」というタイトルの理由は。

 ★渡辺 スタッフにまだ歌詞がない段階で「ラララ」で歌ったものをお渡しすると「既に渡辺美里の世界なんですね」と言われました。声が私にとって身分証明(ID)になってきたんだなって。で、タイトルにしました。

 ー20年間続けた西武スタジアム公演の名場面を、ファンから募集していました。

 ★渡辺 昨年ご縁があって、13年ぶりに西武スタジアムで公演したんです。西武ライオンズ40周年で試合後にミニライブをして、お客さんに最後まで残っていただきました。その後、名場面をもう一度見たいという声もいただいて、35年ということで募集しました。自分はそんなに過去の映像を振り返ることはないんですけど、今回、ファンの方が選んでいただいた場面を見ていたら、どのときも一生懸命やってきたな、と。そのときの基礎体力があるので、今も歩き続けてこられるんだと思います。

 ーあらためて35年の音楽活動を振り返ると。

 ★渡辺 スタジアム以外でも、ホールとかライブハウスでのツアーもありますし、オーケストラとも共演しました。今年春には、チェロとピアノと歌だけのライブもありました。幅広く音楽を表現できていると思います。エネルギッシュで汗をかくステージと、かたやドレスを着るライブと。その両方があって自分の中でバランスが取れているようです。落ち着いた雰囲気の会場で歌っていると時々、「音楽の神様が来た!」って思うときもありますね。

 これからも、自分の可能性や音楽の幅を広げていきたい。一言で言えば35年は本当にあっという間でしたが、10代の頃の声を聴くと明らかに子どもで。35年やれているのはありがたいことです。

 ーところで、九州にもコンサートでよく来られますね。

 ★渡辺 九州の人が持っているエネルギーは、とてもパワーがありますね。その磁場に引き寄せられる感じ。コンサート自体も、九州ならではの盛り上がりを見せるので、おじゃまするのが毎回楽しみです。

 ー九州の食べ物で好きなものは。

 ★渡辺 たくさんあります。デビューしたばかりで福岡に来て、ゴマサバを初めて食べました。10代だったのでインパクトがありましたね。ほかにも呼子のイカ、熊本の赤牛なども好きです。九州は全県とも個性が強く、それぞれが魅力的ですね。

 ▼わたなべ・みさと 1966年7月12日、京都府生まれ、東京都育ち。85年、高校卒業直後にデビュー。初アルバム「eyes」には小室哲哉さん、大江千里さんらが参加。86年には「My Revolution」が大ヒット。この年、女性ソロシンガーとして初めて西武スタジアム(埼玉県)で公演。2005年まで20年連続で公演した。

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