猛暑から選手・観客守れ 給水タイムや噴霧器貸し出し 甲子園

西日本新聞 社会面

 厳しい暑さが続く夏の甲子園(兵庫県西宮市)。今大会は10日までに熱中症にかかる観客らが前回同期比で2割ほど多い。大会本部は、プレー中の給水タイムや試合開始時刻の繰り上げなどで選手たちの熱中症を予防。灼熱(しゃくねつ)のスタンドでは、応援の生徒や保護者たちが冷却スプレーなどで猛暑から身を守っている。

 「ただいまから、選手が水分補給を行います」。10日午後、熊本工対山梨学院戦が延長戦に入ると、球場内にアナウンスが流れた。西宮市のこの日の最高気温は35度。約3分後、ベンチで喉を潤した選手たちが元気を取り戻してグラウンドに現れた。大会本部によるとプレー中の給水タイムは、死球などで試合が中断したり、延長戦に入るなどしたりした場合、今大会は特にこまめに行うという。

 日本高野連は今大会から、準々決勝の翌日だけでなく準決勝の翌日も休養日を導入。また球児が涼しい時間帯にできるだけ試合を戦えるよう、初戦の開始時刻を1日3試合の日は従来より90分早い午前8時に、準決勝は60分早い同9時に繰り上げた。

 球場設備も約7千万円投じ拡充。場内通路で涼めるようエアコンを28台増設し、入場門付近に12台の大型扇風機を新設した。アルプススタンドでは、大きなタンクを担いだ学校関係者が応援団に噴霧器で水をまく姿を目にするが、大会本部が各校に3台ずつ貸し出すために準備したものだ。

 応援に汗を流す生徒たちも暑さ対策に努める。8日に出場した藤蔭(大分)のスタンドでは、吹奏楽部の保護者たちが瞬間冷却スプレー10本を持参。生徒たちの背中や肩に吹きかけた。用意した冷凍タオルも好評で、吹奏楽部3年の梶原美咲さん(18)は「かなり危ない暑さだから、このサービスは助かる」。氷水入りのバケツや塩分補給用のタブレットを準備する学校も多い。

 大会本部によると、開始からの5日間で選手や観客の熱中症・日射病患者は118人に上り、前回同期比21人増。期間中は35度以上に達する日も予想され、今後も増加が懸念されている。「大会はまだ始まったばかり。気温や気象条件の変化に注意しながら運営を進める」と警戒を強めている。

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