被爆ピアノ「平和」響かせ 釜山で船上演奏会

西日本新聞 社会面

船内で「被爆ピアノ」を演奏する崔善愛さん=10日、韓国釜山市 拡大

船内で「被爆ピアノ」を演奏する崔善愛さん=10日、韓国釜山市

 【釜山・前田絵】広島への原爆投下で被爆したピアノによる船上演奏会が10日、韓国釜山市で開かれ、北九州市出身のピアニスト崔善愛(チェソンエ)さん(59)=東京都在住=が招待された在韓被爆者らを前に平和への願いを込め、優しい音色を響かせた。このピアノが海外で演奏されるのは初めてという。

 会場となった船は世界各地を航海しながら核兵器廃絶を訴える活動に取り組む非政府組織(NGO)「ピースボート」が運営。被爆者が減少する中、当事者の証言ではなく「被爆ピアノ」から核兵器の問題を考えてもらおうと企画した。

 在韓被爆者約50人を含む約120人が参加し、崔さんがショパンのノクターンなど6曲を披露。演奏を聴いた韓国原爆被害者協会の李圭烈(イギュヨル)会長(73)は「ピースボートの取り組みに感謝したい。核兵器廃絶のため私たち被爆者もともに歩みたい」と話した。

 船は4日に大阪を出発、広島でピアノを積み込み、長崎、釜山などを巡り、ロシア極東のウラジオストクに立ち寄る予定で、寄港先で演奏会を開催している。

 会場では日韓関係を心配する声も多く聞かれた。外国人登録の指紋押なつ拒否運動などで在日コリアンの人権を訴えてきた崔さんは聴衆に「政府による(日本と韓国の人々の)分断をうのみにせず、理解し合おうとする気持ちを忘れず進んでいきたい」と語り掛けた。

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