交流のダンス韓国断念 9月に久留米で大会 「関係悪化もどかしい」

西日本新聞 社会面

昨年9月に韓国ソウルで開かれ、日韓の障害者と健常者が交流した車椅子レクダンスの大会(日本車椅子レクダンス協会提供) 拡大

昨年9月に韓国ソウルで開かれ、日韓の障害者と健常者が交流した車椅子レクダンスの大会(日本車椅子レクダンス協会提供)

 車椅子の人と健常者がペアになって踊る「車椅子レクダンス」。発祥の地、福岡県久留米市で9月28日に開かれる大会に、14年連続で参加していた韓国からの訪問団が今年は辞退を決めた。日韓関係の悪化を理由に挙げたメールからは「日韓は私たちの心とは違った方向に流れている。残念でもどかしいです」と苦渋の決断だったことがにじむ。

 ダンスはNPO法人日本車椅子レクダンス協会の黒木実馬理事長(70)=同市=が、障害者と健常者が一緒に楽しめるようにと1995年に考案。車椅子でも踊りやすいよう平易に工夫した振り付けは、高齢者や子どもにも広がり、会員や指導者は全国で1万人を超える。

 2001年から「韓国小児麻痺(まひ)協会」でもレクダンスを教え、年に2、3回は両国を行き来しながら20年近く交流を深めてきた。毎年、全国各地で開かれる大会にも韓国から訪問団が参加。今年は障害者ら計12人が参加予定だった。

 黒木理事長のもとに辞退が伝えられたのは今月6日。「今日は切ない知らせを伝えます。残念ながら今回の参加は難しそうです」。丁寧な日本語で書かれたメールには「少しでも雰囲気が緩和されることをずっと見守っていましたが、だんだん反対の方向に向かっているようで、もどかしいです」。最後には「来年までに韓国と日本の関係が改善されることを心より願うだけです。どうぞお元気で」とあった。

 先方に電話で尋ねると、身の危険への不安を打ち明けられたという。黒木さんは「2、3年前から日韓関係の雲行きが怪しかったが、そんな時こそ民間交流が必要と思ってやってきた。今回は事態がより深刻で不安になったのだろう」と表情を曇らせた。

 昨年の大会は初めてソウルで開かれ、約40人の日本人訪問団を韓国の障害者、ボランティア、現地の高校生ら約300人が迎えた。ダンスや交流会の笑顔あふれる写真を見返しながら、黒木さんはつぶやく。「言葉は通じなくても、一緒に踊れば心が通じ合えた。また笑顔で再会したい」

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