水俣病教育「伝え続ける」 公害研究サークル 例会500回で記念集会

西日本新聞 熊本版

例会開催500回を記念した集会で、あいさつする「水俣芦北公害研究サークル」の梅田卓治会長(右) 拡大

例会開催500回を記念した集会で、あいさつする「水俣芦北公害研究サークル」の梅田卓治会長(右)

 水俣、芦北地域の教諭などでつくる「水俣芦北公害研究サークル」は17日、水俣市で例会開催500回を記念した集会を開いた。1976年8月の結成から43年。月1回の例会が今月9日に500回を迎えた。被害者の視点で差別や偏見を解消しようと水俣病学習のあり方を研究してきたメンバーたちは「終わらない水俣病をこれからも子どもたちにきちんと伝え続ける」と決意を新たにした。

 サークルは、水俣病患者への差別的内容を含む生徒の作文が同市内の学校で発表されたことをきっかけに地元有志が結成。「真正面から水俣病を教える必要がある」と、“青本”と呼ばれる教員向けの教材・資料集の作成などに取り組んできた。

 メンバーは患者や被害者と長年交流し、聴き取った話を記録にまとめたり、現地学習を続けたりした。青本は79年8月の初版から4回改定され、現在までに約2千冊が県内外の教育現場で活用されてきたという。

 記念集会で結成メンバーの元会長、広瀬武さん(84)は「ここまで続いてきたことに感謝している。途絶えることなく続いてほしい」。OBの元高校教諭は、授業で水俣病を取り上げることに葛藤があったと明かした上で、「自分たちが学んできたことを若い先生たちにつないでいかないといけない」と強調した。

 集会には県内外の教員や患者団体、胎児性患者など約80人が参加。4代目の梅田卓治会長(61)は「当事者の生の声を聞いて、水俣病の教訓を日常生活に重ねられるよう、子どもたちに伝えていくのが、教育現場にいる私たちの役割だ」と話した。 

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