携帯電話 透明性高め料金値下げを

西日本新聞 オピニオン面

 総務省が、複雑で分かりにくい携帯電話の販売や料金プランに、新たなルールを設ける準備を進めている。料金水準の引き下げを狙い、秋にも導入の予定だ。10月にはIT大手、楽天が携帯電話事業に参入する。携帯電話各社は、利用者が使い方に合った料金やサービスを選びやすいよう、料金体系の透明性を高め、国際的に割高な料金の値下げに努めるべきだ。

 携帯電話通信料を国際比較した調査によると、日本は欧米など経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の2~3倍だ。一方で各家庭の通信費支出は増え続け、2017年には2人以上の勤労者世帯で消費支出全体の6・1%を占め、住居費(5・9%)を上回っている。

 欧米ではここ数年で通信料が急激に値下がりしたのに、日本は下がり方が鈍い。携帯電話大手3社が市場の9割近くを押さえているためだ。

 大手3社は、スマートフォンなどの通信端末を大幅値引きして、その分を月々の通信料で回収するセット販売や、2年契約を中途解約する際には高額な違約金を課す「2年縛り」などで利用者を囲い込んでいる。大手から通信回線を借りサービスを安く提供する「格安スマホ」会社のシェアは限られている。

 新ルールの議論は、菅義偉官房長官が昨夏、携帯料金に関し「4割程度下げる余地がある」と発言したのを機に始まった。「官製値下げ」の色合いが濃いが、もはや政府が動かなければ競争原理が働かず、料金は高止まりのままとなりかねない。

 発言を受け、NTTドコモは今年6月に端末代金と通信料を切り離し月々の通信料が最大4割安くなる新料金プランを始めた。KDDI(au)も「最大4割値下げ」の新プランで追随した。ただ、値下げ幅は利用データ量や割引の有無など条件で異なり、4割下がる人は一部にとどまる。ソフトバンクを含め大手の料金水準は、相変わらず横並びだとの批判もある。

 新ルールでは、端末代金と通信料の完全分離、2年縛りの違約金への上限設定、契約期間全体の支払総額表示の義務付けなどが導入される。違約金は現在の9500円から上限千円に引き下げられ、期間契約の有無による通信料の差は月170円までに制限される。

 2年縛りが前提のビジネスモデルは維持できなくなり、各社は料金プランの大幅見直しを迫られる。利用者は契約先の乗り換えがしやすくなるはずだ。

 今やスマホは日々の生活の必需機器となり、1人1台の時代となった。利用者にとって、分かりやすく比較検討しやすい料金体系が不可欠だ。

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