36年の教師人生一冊に 氷川町の村内さん「甦る学校」出版

西日本新聞 熊本版

 氷川町宮原の元小中学教諭、村内一誠さん(82)が36年間の教師人生を記録した本「甦(よみがえ)る学校 イデアと理論と実践と」を自費出版した。教育の力を信じ、常に子どもの側に立ち続けた村内さんの信念と、子どもの成長を促す学級運営や教科指導の手法をつづった。現役教師や教師を目指す若者に向けて、教育の役割と可能性を提起する内容だ。

 村内さんは八代、人吉・球磨、天草の9校で担任や国語、英語の教科指導をした。特に大事にしたのは、子どもたちの主体性。ある中学では、生徒の提案を受けて「助け合い学習」の時間を設けた。放課後の20分間、小グループの生徒同士がその日の授業で分からなかったことを尋ね合い、解決する取り組みだ。3年生が授業中、勝手に歩き回っていた中学校では、生徒会に計画・運営を任せる体育祭を提案。リーダー役を務めた3年生たちは達成感を味わい、自信を付けていった。

 権威重視の教師から「生徒に甘い」と批判されたこともあったが、家庭での学習時間や手伝いの内容などを書かせる「生活カード」を毎日提出させ、必ずコメントを付けるなど、子ども一人一人の個性と向き合ってきた。

 「人生の目的は、その過程にある」「ヒトは教育によって人となる」という哲学者デューイの言葉を胸に、教師を続けてきたという村内さん。「最近の教育は技術の斬新さばかり追求する姿勢が気になる。教師と児童生徒との心の結びつきが希薄にならないことを願っています」と話した。

 四六判の187ページで千部発行。1404円。文芸社=03(5369)3060。 

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