【動画あり】沖ノ島定期“遠望船”検討へ 県が試行、参加者の満足度高く

西日本新聞 ふくおか版

沖ノ島(奥)を間近に望む遠望船 拡大

沖ノ島(奥)を間近に望む遠望船

船首に集まり沖ノ島に見入る参加者たち

 禁忌により神職以外は立ち入ることができない世界文化遺産・沖ノ島(宗像市)について、観光活用を目指す新しい動きが出ている。県と宗像、福津両市、宗像大社でつくる保存活用協議会は7月、海上から島を遠望するツアーを初めて実施。「せめて近くで見たい」という観光客の要望を受け、船から眺める形を試行した。参加者の満足度は高く、地元では定期化に向けた検討が始まっている。

 宗像市から約60キロ沖合の玄界灘に浮かぶ沖ノ島は古代から大陸との交流中継地となり、航海安全を祈る祭祀(さいし)が行われてきた。島全体が宗像大社の境内の一部であり、神職以外の入島は原則禁止。島内にある沖津宮には神職が交代で常駐している。

 2017年の世界遺産登録を機に「上陸できない神のすむ島」という認識は広まったが、一方で、旅行会社などから「沖ノ島にどこまで近づいていいのか」という問い合わせも増えた。その中で、許可船による海上参拝の案が地元から浮上。「海の日」の7月15日に関連行事として初めて計画された。観光客や市民の関心は高く、定員の5倍を超す応募があった。

 参加者約300人は船に分乗し、1時間以上かけて沖ノ島周辺に到着。文化財保護法の適用範囲外である島から半径2キロ以上離れた海域を巡り、遠望した。

 福岡市早良区の増井渉さん(47)は「写真で見慣れた正面からの姿だけでなく、違った角度からも見ることができた」と満足そう。京都市の国定量郎さん(70)は「富士山などと同じく、神々しい雰囲気を漂わせた姿だった。古代の人々の信仰に触れた思い」と感動していた。

 乗船者に対する県のアンケートでは、遠望船に「満足」「やや満足」と回答した人は全体の85%に及んだ。この結果を踏まえ、保存活用協議会は周辺海域で操業する漁業者なども含めて話し合い、民間による運航の可能性について検討を進めていく方針だ。

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