伊都国発掘30年の成果 平成の出土品200点を展示

西日本新聞 ふくおか都市圏版

北部九州のみで出土する珍しいヒョウタン形土器の破片を見る入館者 拡大

北部九州のみで出土する珍しいヒョウタン形土器の破片を見る入館者

三雲・井原遺跡の番上地区から出土した弥生時代の板石すずり片(伊都国歴史博物館提供)

 平成から令和へと時代が移り変わったことを記念し、古代のクニ「伊都国」の発掘成果を振り返る企画展が糸島市井原の伊都国歴史博物館で開かれている。平成の30年近くに及ぶ発掘で伊都国の実像はより鮮明になってきた。約200点に及ぶ遺物の展示でその実像に迫る。9月16日まで。

 国史跡「三雲(みくも)・井原(いわら)遺跡」は伊都国の王都と位置付けられている。2014(平成26)年度~16(同28)年度の発掘で、大陸系の楽浪土器が集中する番上地区から板石すずりの破片が見つかった。弥生時代中後期(1~2世紀)ものとみられる。

 この発見を受けて北部九州を中心に板状すずりの確認が相次いでいる。弥生時代中期中ごろ(紀元前2世紀末~前1世紀)のすずり生産を示す遺物も潤地頭給(うるうじとうきゅう)遺跡で確認された。文字の国内使用が定説より300~400年ほどさかのぼる可能性が出ている。

 奇抜な形状で注目を集め、北部九州のみで見つかっているヒョウタン形土器も志登尾北遺跡から出土した。国内で11例目。海に近い遺跡から見つかるという特徴があり、ヒョウタンは水に浮くという特性から航海の安全を祈る祭器などの説が出ている。

 ほかにも潤地頭給遺跡が大規模な玉作り工房だったことが判明。平原王墓の発掘では、王墓と日向峠を結ぶ位置にあった遺構が直径約70センチの大柱を立てた跡と分かった。在野の考古学者、故原田大六氏が提唱したように王墓は太陽信仰を意識したとみられる。江崎靖隆学芸員は「平成の発掘で伊都国が北部九州の中心的な地であることが確実になった」と話している。

 入館料は一般210円、高校生100円。

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