球磨川沿線駅の探訪本 人吉市の歯科医師出版 歴史や遺構、風土紹介

西日本新聞 熊本版

 人吉市九日町の歯科医師、松本晋一さん(73)が、球磨川沿いに走るJR肥薩線と、くま川鉄道の30駅を紹介する「球磨川の駅・ものがたり」を出版した。歴史や建造物、地域風土など多彩な視点でつづられた内容は、各駅停車の旅を楽しむ格好のガイド本になりそうだ。

 松本さんは、明治期以降を中心とした全国の産業遺産を研究する産業考古学会の評議員で、熊本産業遺産研究会にも所属。主に鉄道や自動車、飛行機など交通関連を研究テーマとしてきた。肥薩線については、開通90周年(1999年)と100周年時にも関連本を出版している。

 今回は、2016年から18年にかけ、月刊誌「くまがわ春秋」に執筆した連載をまとめた。前半は八代-人吉間の肥薩線16駅、後半は人吉温泉-湯前間のくま川鉄道14駅について、カラー写真を多用して由来やエピソードなどを紹介。コラムも織り交ぜ、旅情豊かな内容となった。

 さらに、戦前に構想されながら実現しなかった旧湯前線(現在のくま川鉄道)と妻線(宮崎県)との接続計画についても言及。先行して開通したバス路線の停車場で現在も残る村所(むらしょ)駅(同県西米良村)も「幻の日肥線」の遺構として歴史の一ページに加えた。

 巻頭には、JR九州が運行する観光列車のデザインを手掛け、松本さんと10年来の付き合いがある水戸岡鋭治氏の推薦文も掲載している。

 今回の出版について松本さんは「それぞれの駅に降り立ち、そばを流れる球磨川河畔に足を運べば、車窓から眺める景色とは違った良さを感じることができる」と話している。

 A5判212ページで1620円。千部発行。人吉中央出版社=0966(23)3759。

熊本県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ