藻場再生へ捕って食べて 食害魚ノトイスズミ対策広がる

西日本新聞 長崎・佐世保版

 魚の赤ちゃんや卵が外敵から身を潜めることができる海藻の密生地「藻場(もば)」の減少が指摘されて久しい。温暖化の影響で、海水温が高い時期にしか日本近海にいなかった海藻を食べる魚「ノトイスズミ」が年間を通じて生息するようになったのが原因の一つ。この魚をどんどん食べることで海の環境を守ろうとする取り組みが広がっている。

 県漁港漁場課によると、ノトイスズミは藻を多食するため独特のにおいがある。うろこが硬く価格が安いため漁業者が積極的に捕ることがなかったため、生息数が増えたとみられる。ただ、歯ごたえのある淡泊な身は一部の地域で好まれ、東京・伊豆諸島では湯引きで食されているという。

 7月初旬、藻場再生に取り組む長崎市のグループ「マリン・アクティブ」が市内の居酒屋「宴家そく彩」で水産業関係者向けの試食会を開催。グループが考案した新鮮なうちに内臓や頭部を除去する処置を施した魚を刺し身、揚げ物などにしたところ「他の魚に引けを取らない」と好評だったという。県庁内のレストラン「シェ・デジマ」は同下旬にノトイスズミを使ったランチを提供、157食が売れた。

 ノトイスズミが多く捕れる対馬では、地元の対馬地区漁協女性部連絡協議会が1年以上かけて調理法をみがいた。会長の犬束ゆかりさんは、地元で水産加工業や仕出しを手掛ける「丸徳水産」の専務。商業ベースに乗せることで捕獲と消費の循環を拡大しようと、6月からノトイスズミを買い取り始め、ミンチに加工して揚げた「イスズミカツ」を販売している。犬束さんは「藻場の再生につながってほしい」と期待している。 

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