「吉田茂カレー」伝えたレストラン 「太陽」起業拠点に衣替え

西日本新聞 筑豊版

 昨年3月末に閉店した飯塚市新飯塚のレストラン「太陽」の建物を、コワーキングスペース(共同利用の仕事場)にする計画が進んでいる。軽食を食べられるようにし、太陽で販売していた吉田茂元首相の専属シェフ直伝のカレーをレトルトで復活させる。企画した同市の会社代表、稲富隆太さん(33)は「社会人や学生が集まり、新しいビジネスを発信する場所にしたい」と話している。

 太陽は1946年開業。吉田茂元首相の三女で麻生太郎副総理兼財務相の母和子さんが、麻生家に嫁いだ際、吉田家専属シェフが同行。シェフは客として太陽に通い、カレーなど数種類の料理を伝授したという。

 太陽は会社員や学生らでにぎわう人気店だったが、経営する松村久弥さん(81)、久美さん(72)姉妹がスタッフの退職を機に閉店を決意。しばらくはファクスなどでレトルトカレーの注文を受けていたが、負担が重く今はやめている。

 八女市出身の稲富さんは、飯塚市の近畿大産業理工学部を卒業後、同市内で就職。「飯塚を元気にするため若者を支援したい」と今年3月末に退社し、現在、若者の事業支援などを行うコンサルティング会社の代表を務める。

 筑豊地区には近畿大のほか、九州工業大情報工学部、近畿大九州短期大、県立大があるが、学生と地域の関わりが少なく卒業後、筑豊に残る人は多くないといわれる。そこで学生と企業をつなぎ、スタートアップ(創業)につなげるなどビジネスを中心としたコワーキングスペースの創設を企画した。

 稲富さんは、太陽がJR新飯塚駅や市役所、飯塚病院に近いことから、7月に松村姉妹に建物の活用を打診。賃貸のほかレトルトカレーの製造を快諾してもらった。久美さんは「地域のためになるので協力する。飯塚に吉田茂の名前が残ることもうれしい」と話す。

 同スペースは、若手事業者や地元大学生らの協力を得て準備を進め、11月1日にオープン予定。個別スペースのほか、レストランのカウンターを生かし、利用者が並び、会話しながら仕事できるような席を設ける。プロジェクターを使った企画書のプレゼンや、起業者の講演にも取り組む方針。レトルトカレーはランチタイムに施設内で温めて提供するほか、持ち帰りの販売を予定している。

 9月29日まで、クラウドファンディング(CF)で、施設開設と運営資金の協力者を募っている。アドレスは=https://camp-fire.jp/projects/view/181282

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