「画像診断で見落とし」 福岡市の2病院を提訴へ 死亡女性の遺族

西日本新聞 社会面

 頭部の検査画像の評価を誤ったために治療が遅れたとして、2017年11月に脳動脈瘤(りゅう)破裂によるくも膜下出血で亡くなった福岡県香春町の女性=当時(65)=の遺族が近く、福岡市内の二つの病院をそれぞれ運営する法人に、計9600万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こすことが分かった。画像診断を巡っては、がんなどの病変の見落としで治療が遅れる事例が各地で続発。背景に専門医の不足や、画像診断技術の高度化に伴う情報量の増加を指摘する声もある。

 訴状などによると、13年に乳がんの手術を受けていた女性は17年9月、目の不調や頭痛などを訴え、1カ所目の病院で頭部のMRA(核磁気共鳴画像診断装置による血管撮影)検査を受けた。この病院は画像診断を委託する会社(福岡市)の医師がまとめた報告書から「頭蓋内の主幹動脈に動脈瘤は指摘できない。脳転移の所見なし」とした。

 症状が悪化した女性は、同年10月に画像データと報告書を持参して別の病院を受診し「右動眼神経まひ」と診断され入院。約1週間後に病院内で倒れた際、検査で複数の脳動脈瘤が見つかり、意識が戻らないまま11月に亡くなった。遺族側は、医師らに検査画像の評価を誤るなどの過失があったと主張している。

 女性が検査を受けた病院側は西日本新聞の取材に「(画像の)読影に関しては問題があったと認識している。全く責任がないとは思っていない」と説明。もう一方の病院は「裁判で主張を行う」としている。

 病院側は解決金を提示し協議による和解を求めていた。提訴を決めた理由について女性の夫(69)は「病院側は責任を完全に認めておらず謝罪もない。画像は私でも動脈瘤があることが分かる。(2カ所目の)病院も画像を撮っていれば治療できたかもしれない」としている。

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ