威信に傷 米政権不満 韓国の軍事情報協定破棄

西日本新聞 総合面

 韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を決めたことは、北朝鮮や中国などをにらんだ日米韓の安全保障協力の重要性から協定継続を働き掛けてきたトランプ米政権の威信を傷つけた格好だ。かたくなに対立を深める日韓双方に米政府内の不満が高まるのは必至だが「打つ手は乏しい」(日米外交筋)のが実情で、対応に苦慮する事態が続きそうだ。

 「日米韓の連携にくさびを打ち込ませてはならないが、苦境を乗り切る自信はある」。米国務省高官は今月初旬、日韓双方に自制を促しつつ、協定継続に期待を示していた。

 しかし、日本が米国の働き掛けを振り切って対韓輸出規制を強化したのに続き、韓国も米国の意向にノーを突き付けたことで、米政府関係者は「両国への不満が強まるのは間違いない」といら立ちを隠さない。

 協定の破棄により日韓は有事の際、米国を介して情報を共有することになり、「北朝鮮の攻撃を受けた場合、一分一秒を争う中で、いちいち駐留米軍が情報を取り持つような事態になれば、被害は拡大し、米軍の業務負担も増す」(米政府関係者)と懸念が強まる。

 有効な手だてが見えない中、識者からはトランプ大統領が直接、介入すべきだとの声が上がる。ただ「大統領の日韓への関心は、駐留米軍経費の負担や貿易赤字削減にしか向いていない」とされる。トランプ氏は米国が「世界の警察官」の役割を担わされることも嫌うだけに期待は難しい。 (ワシントン田中伸幸)

PR

PR

注目のテーマ