川が増水し孤立の18人、救助費用は? 日田玖珠消防「請求せず」

西日本新聞 大分・日田玖珠版

 台風10号の接近に伴う増水のため玖珠町の大谷渓谷で孤立した18人が今月15日、警察と消防によって救助された。近年、無謀なレジャーによる遭難については「自己責任」との批判が高まっており、全国的には、救助活動の費用を請求している自治体もある。今回のケースはどうなのか-。

 県警によると、幼児を含む18人は14日に四輪駆動車6台で河原を走り、うち4台が増水のために水没。身動きが取れなくなり、翌15日に救助された。

 日田玖珠広域消防組合によると、通報を受けて14日に隊員計19人を現地に派遣。15日も計18人を出動させた。日田消防署、玖珠消防署では火災待機などの人員が不足し、非番の隊員を14、15日に約20人ずつ呼び出す事態になった。

 これらの救助活動の費用について、同組合は「請求しない」と明確だ。消防組織法は1条で消防の任務を定め、「災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行う」などと規定。「そもそも消防は救助などを行うための組織」(同組合)で、警察も「生命身体の安全確保が公務」として請求しないという。

 くじゅう連山などがある県内では、2018年に山岳遭難が35件39人発生(県警まとめ)。警察、消防は山岳遭難でも、ヘリコプターを使った活動を含めて費用請求していない。麓の九重町によると、遭難者の家族が消防団へ捜索要請した場合も、団員の出動手当(1日1人1700円)は町が負担している。

 全国的には、無謀な登山を抑止しようと、埼玉県で18年1月から県防災ヘリによる山岳遭難救助を有料化。ヘリの飛行5分間につき、燃料費の実費に相当する5千円を徴収。1時間かかれば6万円を請求する計算で、18年には6人、19年には3人(8月現在)に負担を求めた。

 ただ、導入に際しては「事前準備しても遭難することはある」「海や川のレジャーでは請求せず、不公平感がある」などの反対意見があったという。これらの意見は根強く、総務省消防庁によると、埼玉県以外で有料化の動きは出ていない。

 今回の救助活動を受け、広瀬勝貞知事は、災害が予想される場合の観光地への入場規制について、「どういう対応をすればいいか、市町村とも相談していきたい」と述べ、何らかの対策を検討する考えを示している。

大分県の天気予報

PR

大分 アクセスランキング

PR

注目のテーマ