先日、同僚と2人で福岡から東北に出張した時のこと

西日本新聞 社会面 坂本 信博

 先日、同僚と2人で福岡から東北に出張した時のこと。親しくなった宮城県の人々と酒を酌み交わす中、「山口や鹿児島の人には言えませんけどね…」という言葉で始まった話にドキリとした。

 「(約150年前の)戊辰戦争の時、東北諸藩が長州や薩摩から逆賊にされた歴史は忘れません」。われわれは他意なく「福岡から来ました」と自己紹介していたが、同僚は山口出身で、私は鹿児島育ち。福島県で教員になった私の兄が、初任校の校長から「ここでは鹿児島出身だと言わない方がいい」と助言されたという話を思い出した。

 東北人といっても、考えは人それぞれだろう。ただ、翌日に訪れた岩手県でも、酒席で同じ言葉が出て驚いた。

 慶応、明治、大正、昭和、平成、そして令和。時代は変わっても、痛みを受けた側の記憶は容易には消えないことを思い知った。アジア諸国だけでなく同じ国の中でも。 (坂本信博)

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