7管が「錨泊自粛海域」設定 北九州空港周辺「走錨」起因の事故防げ

西日本新聞 北九州版

台風8号が九州に上陸し暴風警報が出た8月6日、錨泊自粛海域の確認に追われる門司海上保安部の職員 拡大

台風8号が九州に上陸し暴風警報が出た8月6日、錨泊自粛海域の確認に追われる門司海上保安部の職員

北九州空港の連絡橋

 船舶が停泊時に見舞われるトラブルの一つに「走錨(そうびょう)」という現象がある。強い風や波でいかりごと船が流される状態をいい、台風の影響で関西空港(大阪府)の連絡橋にタンカーが衝突した昨年9月の事故でクローズアップされた。今年も台風シーズンに入り、第7管区海上保安本部(7管、門司区)は「走錨」に起因する事故対策を始めた。暴風警報発表時に、北九州空港(小倉南区、苅田町)と長崎空港(長崎県大村市)周辺海域で錨泊(びょうはく)しないよう船舶への指導に努めている。 

 船舶は停泊する際にいかりを下ろし、風や波に影響される船体を安定させる。風や波が極端に強い場合、いかりが海底から離れて船体とともに流される恐れがあり、転覆や衝突の危険性が高まる。関西空港連絡橋へのタンカー衝突事故では、当時空港にいた約8千人が一時孤立する事態に陥った。連絡橋の通行全面再開に7カ月を要した。

 海上保安庁は4月、全国の石油備蓄基地や火力発電所、空港などの周辺40カ所について「走錨」対策が必要な海域に選定した。7管管内では、連絡橋を有する海上空港の北九州、長崎両空港周辺を対策が必要な海域とした。

 7管は暴風警報発表時、北九州空港の連絡橋中心部と滑走路への進入灯から3マイル(約5・5キロ)以内、長崎空港の南北の進入灯から3マイル(同)以内を、100トン以上の船舶の「錨泊自粛海域」に設定。パトロールなどを強化し、海域での停泊自粛を指導する。

 台風8号が九州に上陸し、暴風警報が出た8月6日、門司海上保安部は航行警報などを通じ、北九州空港周辺の錨泊自粛海域を船舶に伝達。船舶の動きや海域を警戒する対応に追われた。台風10号が九州に接近した14、15日も同様の対応に努めた。

 北九州空港の近くには、新門司港や苅田港といった海上交通の要衝があり、フェリーや貨物船の往来が盛んだ。北九州空港連絡橋には電気や上下水道、インターネット回線など、空港機能を維持するためのインフラも通る。7管交通部航行安全課の桜井和史課長は「船舶が走錨に陥るケースは少なくない。人と物が集まる空港の機能を守るため、船舶への指導を徹底したい」と話している。

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