立民・国民新会派 基本政策の一致が必要だ

西日本新聞 オピニオン面

 「多弱」といわれた野党の第1党と第2党が結束し「1強」の巨大与党に支えられた安倍晋三政権に挑むという。政治が緊張感を取り戻し国会論戦も活性化するのなら、意義は大きい。

 ただし、国会戦術のレベルにとどまらず、本当に政権交代を目指すのであれば、基本政策の一致は必要不可欠である。その覚悟はあるのかと問いたい。

 立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表が、衆参両院で統一会派を組むことで合意した。野田佳彦前首相が代表の衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も合流する方針で、衆院117人の統一会派が誕生する。参院も、既に立民と統一会派を組む社民党を含めれば60人の勢力となる。

 この「数の力」が、安倍首相の長期政権下で固定化してきた「1強多弱」の政治状況を変える契機となるか。秋の臨時国会が再起を期す野党の正念場となるだろう。だが、問題の核心は、その先に待ち受ける政権選択の機会-次期衆院選に、どんな理念と政策を掲げ、具体的にどのような態勢で臨むかである。

 統一会派結成の意義について枝野氏は「より強力な態勢で国会論戦を挑み、次の衆院選では政権の選択肢であることをしっかり示したい」と語った。玉木氏も「政権交代につなげていく第一歩だ」としている。

 両党首の発言を前向きに解釈すれば、「最終目標は政権交代であり、国会の統一会派はその通過点にすぎない」ということだ。そうだとすれば、目指す政治、経済、社会などの在り方を包括した、基本政策の一致に基づく政権構想が前提となる。

 基本政策の擦り合わせは大丈夫か。本をただせば両党は旧民主党=民進党勢力であり、基本政策に大差はないとされる。他方、深刻な党の分裂や対立を招いたのは基本政策の合意を曖昧にした「寄り合い所帯」的体質にあるという指摘も根強い。

 例えば「憲法9条の改悪や解釈改憲に反対」として安倍政権と真っ向から対立する立民に対し、国民には安倍政権との憲法論議にも前向きな議員が少なくないとされる。先の参院選で改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2を割り込んだのを受け、首相が秋波を送るゆえんだ。

 エネルギー政策の根幹に関わる原発への対応も問われよう。「原発ゼロ法案」の成立を目指す立民に対し、電力労組の支援を受ける議員を抱える国民は難色を示しているという。

 内紛に明け暮れて四分五裂した旧民主党勢力の再結集では、それこそ「数合わせ」と批判されよう。まず基本政策を一致させ、説得力のある政権構想を練り上げる努力が欠かせない。

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