古湯温泉に移住者がカフェ 空き家改装、焼き菓子やランチ提供

西日本新聞 佐賀版

 佐賀市富士町の古湯温泉街の一角で、空き家が焼き菓子やランチを味わえる店に生まれ変わった。切り盛りするのは、町に移り住んだ日本人とフランス人の夫婦。過疎化もあって往年の活気を失いつつある温泉街は、外からもたらされた新風を歓迎している。 

 店の名は「古湯マーケット望屋(もちや)」。佐賀市嘉瀬町出身の船津丸有紀さん(36)とフランス人のステファン・カロジェさん(36)の夫婦が7月19日、古湯温泉街のメイン通りに開いた。

 お昼時に創作イタリアンと手作りの洋菓子を提供。移住者がつくるオーガニックの雑貨、富士町内の農家の無農薬野菜も販売する。

 この家を所有する温泉旅館おかみの岸川美紀子さん(67)によると、12~13年前は「もちや」という、うどん店兼住居だった。メイン通りは旅行客などでにぎわっていたが、バブル崩壊とともに若者たちが離れ、シャッターを下ろす店が相次いだ。「もちや」もその一つだった。

 船津丸さんは神戸大を卒業後、大手家具メーカーに就職。仕事に追われる日々に疑問を感じ、2013年に嘉瀬町に戻った。17年、就農のために移り住んだ古湯で、世界を旅していたカロジェさんと出会い、意気投合。結婚した昨春、富士町関屋に新居を構え、隣の三瀬村でカフェ店を間借りしながら、飼育するヤギのチーズを盛ったランチと、カロジェさんの洋菓子を提供していた。

 もともと船津丸さんと知り合いで、カロジェさんの菓子にほれこんだ岸川さんの薦めで、古湯温泉街に移転。店の名は、地域なじみのうどん店「もちや」にちなんで「望屋」とした。

 カロジェさんは元ウェブデザイナーで、独学で菓子作りを習得したといい、「毎日大変だけど、机で仕事をしていたころより充実している。有紀と新しい旅を楽しみたい」。船津丸さんも「地域のおばちゃんからは『うどんはないとね』と言われる」と笑い飛ばし、「地域の人にも観光客にも愛される店にしたい」と意気込む。

 古湯・熊の川温泉観光コンベンション連盟の山口澄雄理事長は「若い移住者たちの力で温泉街が再び活気づけばうれしい」と話している。

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 古湯マーケット望屋は佐賀市富士町古湯796。営業は金曜日から月曜日まで午前11時~午後4時。

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