四王寺山の三十三石仏、太宰府市民遺産に認定 提案の市民団体、勉強会の活動結実

西日本新聞 ふくおか都市圏版

「四王寺山三十三石仏」は満場一致で市民遺産に認定された 拡大

「四王寺山三十三石仏」は満場一致で市民遺産に認定された

三十三石仏の現地を調べる四王寺山勉強会のメンバー

 太宰府市の市民や事業者、行政でつくる市景観・市民遺産会議(森弘子議長)が26日、市役所で開かれ、「四王寺山の三十三石仏」を市民遺産に認定することを満場一致で決めた。市民団体「四王寺山勉強会」(菜畑健治代表)提案で、市民遺産は計15件目。同勉強会提起の市民遺産は「かつてあった道『四王寺山の太宰府町道』」に続く認定で、初めて複数の市民遺産の育成団体となった。

 大宰府政庁跡の背後にそびえる四王寺山は7世紀後半、朝鮮半島を舞台に当時の日本と唐、新羅の連合軍が争った白村江の戦いの敗戦後に山城「大野城」が築かれたことで知られる。太宰府市、宇美町、大野城市にまたがり、山中には三十三石仏(観音霊場)がある。江戸後期、博多で大火事や疫病などが続いたため、博多の人々が発起し、地元も協力して設置された。

 四王寺山勉強会のメンバーは山中に入り、石像などの調査を続け、石仏に関する冊子もまとめた。

 調査の中で今年6月、太宰府市史に「宇美町側にある」と記された石像6体が実は太宰府側にある可能性が高いと突き止めた。地図や衛星利用測位システム(GPS)で、大野城跡の土塁線上周辺にある石像をチェックしたところ、市史の記述がおかしいことに気付いたという。

 6体のほか、太宰府市と大野城市のちょうど境界辺りに位置する石像もあった。今回、太宰府市民遺産としての認定を提起するに当たっては石像が分布する宇美町や大野城市にも打診し、了解を得ているという。

 会議で、菜畑代表の説明を聞いた前議長の西山徳明北海道大教授は「三十三石仏には物語があり、市民遺産のモデルになる提案だ」と述べた。

 菜畑代表は「来年が町政100周年の宇美町や大野城市の住民と、祈りの山・四王寺山中の石仏などに関する物語を後世に語り継ぎたい」と喜びを語った。

 四王寺山勉強会はこれまで冊子「四王寺山のビューポイント」や「四王寺山旧蹟全図」などを刊行している。

 ◆太宰府市民遺産 未来に伝えたい地域固有の物語や関連の文化遺産を守り伝える太宰府市独自の取り組み。守り伝える団体(育成団体)が提案し、市景観・市民遺産会議によって認定される。2011年に始まった。これまで、太宰府天満宮の神事に使われる「木うそ」や「時の記念日」の行事、高雄の自然と歴史、太宰府メモリアルパークからの眺望、梅香苑夏まつりの子どもみこしなどが選ばれている。

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