【中原に鹿を逐(お)う】…

西日本新聞 オピニオン面

 【中原に鹿を逐(お)う】かつて中国大陸で繰り広げられた国同士の覇権争いはこう形容された。中原は天下、鹿は帝位を表す。略して「逐鹿(ちくろく)」ともいわれるが、戒めの表現もある。【鹿を逐う者は山を見ず】獲物を追うあまり深山に迷い込んで危険な目に遭うこと

▼韓国政府が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)を破棄した。「徴用工」問題を巡り、日本が下した対韓輸出規制への報復のようだ。これこそ大局を見失って【天に唾する】行為ではないか

▼北朝鮮の核・ミサイルに対処するため、日米韓が軍事情報を共有して漏えいを防ぐ。その仕組みが崩れると、朝鮮半島情勢は一層不安定化してしまう

▼【棚からぼた餅】と、高笑いするのは北朝鮮だろう。自らの非は棚に上げ、立て続けにミサイルを発射している。それを黙認する米政権も困りものだ

▼北朝鮮問題には日米韓中ロの5カ国が関わる。各国の立場は異なるが【呉越同舟】ならぬスクラムで圧力をかけてきた。その足並みもばらばら。米ロ、米中は軍事や貿易を巡って対立し、日韓まで仲たがいすれば、北朝鮮にとって【渡りに船】か

▼そろそろ各国は頭を冷やして矛を収めてはどうか。今の混乱が続くなら半島非核化への歩みは【元のもくあみ】、そして北朝鮮が【漁夫の利】を得るだけだ。以上、ことわざで読み解く東アジア情勢-。分かりやすく、かつ深刻な事態である。

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