思い込め「復興弁当」 南阿蘇村の女性団体 県内外の視察もてなし

西日本新聞 熊本版

 熊本地震からの復興に向け、南阿蘇村黒川地区の女性団体「すがるの里」(渡辺ヒロ子会長)が、新たな弁当づくりに乗り出した。かつて東海大阿蘇キャンパスがあり「学生村」と呼ばれた同地区。女性たちは今春から、農場実習に通う学生を支援しようと手づくり弁当(400円)を提供しているが、県内外からの視察団体向けにも新メニューを考案し「復興弁当」として販売する。

 同地区には地震前、東海大生約800人が下宿やアパートで暮らし、女性の多くが学生たちの賄い料理に腕をふるっていた。地震で学生3人が亡くなり、大学機能も熊本市に移転。地域はかつての活気を失うが、女性たちは学生や視察に訪れる人々との交流を広げ、弁当でもてなし、一歩を踏み出そうとしている。

 8日、「すがるの里」が活動する交流拠点・旧長陽西部小で試食会を実施。「笑顔」と記された弁当のふたを開けると、赤牛ステーキや肉巻き、アスパラやトマト、きんぴら、いなり寿司などが盛り付けられていた。旬の地元食材を生かし、色合いも鮮やか。参加者からは「おばあちゃんの味がする」との声も聞かれ、好評だった。復興弁当の価格は今後、参加者へのアンケートを基に決める。

 調理に当たった竹原伊都子さん(58)は地震前、学生34人が暮らす下宿とアパートを営み、賄い料理を提供していたが、父母の代から続くその営みは途絶えた。持ちこたえた下宿棟には思い出が詰まっており、解体できずにいるという。

 地震後、震災遺構を巡るツアーの語り部としても活動している竹原さん。「手づくりにこだわり、おなかいっぱい食べてもらい、笑顔が広がるとうれしい。それが地域や私たちの元気にもつながる」と話した。

熊本県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ