豪雨被害「2年で3度目」 筑後地区 避難者、疲労の色濃く

西日本新聞 筑後版

 活発な前線の影響で福岡、佐賀、長崎の3県に大雨特別警報が出された28日、筑後地区も夜明け前から記録的な雨に見舞われた。今年2度目の大雨被害。各地で道路の冠水や土砂崩れが相次ぎ、交通機関の運行が乱れるなど、市民生活に再び大きな影響が出た。

■避難 

 各自治体の避難者数(ピーク時を含む)は、久留米市287世帯545人▽小郡市35世帯64人▽うきは市48世帯100人▽八女市304世帯623人▽柳川市59世帯113人▽みやま市99世帯208人-など。

 久留米市津福本町の会社員桑原賢郎さん(46)は午前5時半に家族と近くのコミュニティセンターに避難を始めた。昨年7月と今年7月の豪雨でも避難した桑原さんは「2年前に久留米に引っ越してから避難は3度目。こんなに水害が多いとは」と疲れた表情だった。

■冠水 

 久留米市では28日朝までの48時間雨量が366・5ミリに達し、8月の観測史上最大となった。旧市内を中心に、国道210号を含む80カ所以上で道路が冠水し、あちこちで交通渋滞が発生した。同市荒木町は腰の高さまで水位が上がり、動けなくなった車の列ができた。近くの40代女性は「ここまでの水位は初めて」と困惑した様子だった。

 大刀洗町では同町高樋の大刀洗川で堤防が決壊し、農地が浸水した。

 国土交通省筑後川河川事務所によると、筑後川支流の巨瀬川の中央橋観測所(久留米市田主丸町)で、午前7時半の水位が観測史上最高の3・3メートルに達し、堤防が耐えられる最高水位「計画高水位」を越えた。

■土砂崩れ 

 土砂崩れや道路、河川の被害も相次いだ。

 広川町の農地で土砂が流出し、八女市星野村では民家の裏山が一部崩れた。

 星野村では、星野川沿いの県道が約30メートルにわたって崩落。2012年の九州北部豪雨では、すぐ上流部の県道が同様に崩れて復旧工事が長期に及び、住民や観光客が狭い迂回(うかい)路の通行を余儀なくされた。近くの農業高木正秋さん(66)は「崩れた場所は川の流れの影響を受けやすい。早く復旧してほしい」と語った。

 筑後川では、久留米市と佐賀県みやき町を結ぶ豆津橋そばの堤防のり面が幅8メートルにわたって崩れた。みやま市瀬高町の矢部川左岸でも堤防の斜面が幅10メートルにわたって崩れた。

■休止・休業 

 各自治体で学校が臨時休校となり、公共施設も軒並み休館した。観光客に人気の「道の駅うきは」も休業。久留米市や近郊で体験型観光が楽しめる「久留米まち旅博覧会」のキックオフイベントも中止された。

 一方、7月の豪雨で浸水して一時休業した小郡市のイオン小郡ショッピングセンターは、今回は浸水被害はなかったが、安全確保のため臨時休業した。

■交通 

 未明から朝にかけて強まった雨は、通勤時間帯を直撃した。JR鹿児島線は久留米-銀水間が始発から約11時間運休。荒木-西牟田間では、線路下に敷いた石が数カ所で流れ出し、線路が浮いた状態になった。西鉄天神大牟田線は、小郡-大牟田間が午前6時から約5時間運休した。

 JR久留米駅は、運転再開を待つ人であふれた。出張で久留米市に来た中島麻里さん(29)=大阪市=は「佐賀や大牟田にも行くつもりだったが、間に合わなかった。せっかく九州に来たのに仕事の半分もできなかった」と肩を落とした。

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