韓国 対日圧力誤算続き 輸出優遇除外WTO提訴準備 (2ページ目)

西日本新聞 総合面

■日本「必要な見直し」 韓国批判抑え出方見極め

 日本政府は韓国を「ホワイト国」から除外したことを「安全保障上の観点からの見直し」(菅義偉官房長官)と強調し、韓国側の反発をかわす構え。文在寅政権がGSOMIA破棄や側近スキャンダルで揺れていることから、韓国批判を抑制しつつ今後の対日政策を見極める余裕を見せている。

 韓国への輸出規制を巡っては7月から半導体材料3品目が個別審査の対象になったが、今回の「ホワイト国」除外では、これが軍事転用の可能性がある工作機械や炭素繊維など約240品目に拡大した。

 ただ、輸出企業の多くは別の規定で手続きの簡素化が認められており、韓国向けもこれまで通り個別審査は不要だ。炭素繊維を輸出する東レは「従来と同じような輸出管理で貿易が続けられる」(深沢徹専務)。経済産業省も「影響は出ない」とみている。

 むしろ注目されるのは、ホワイト国除外に伴う「キャッチオール規制」だ。今後は個別審査の対象品目でなくても、政府が軍事転用の恐れがあると判断すれば、材木や食品を除く全品目を個別審査にできる。経産省は「恣意(しい)的な運用はしない」と強調するが、関係者には「強力な対韓カードになる」との見方がある。

 一連の対立で、政府は国際的に日本が優位になったとみている。韓国による世界貿易機関(WTO)への提訴も「優遇措置から日本を除外しようとしている韓国が提訴できるわけがない」(外務省幹部)。GSOMIA破棄などで米国が韓国に不信感を強めていることも「追い風」に、当面は韓国側を追い込まずに出方をうかがう構えだ。

 もっとも、元徴用工訴訟の原告側が差し押さえた日本企業が保有する韓国内の資産は、早ければ今年12月にも現金化される見通し。打開策が見えない状況に変わりはなく、韓国側を軟化させるには「米国から言ってもらうしかない」(同省幹部)との声も漏れる。

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