暖湿気合流 豪雨の帯 九州北部 秋雨前線を活性化

西日本新聞 総合面

 まるで梅雨末期のように長く続く大雨が、なぜ、この時期に-。福岡管区気象台などによると、最大の要因は対馬海峡付近に長く停滞する秋雨前線。梅雨前線よりもおとなしいイメージだが、今回は3方向から暖かく湿った空気が流れ込み、九州北部付近で合流したことで活発化。積乱雲が連なる「線状降水帯」を次々に発生させたという。

 雨が強まった時間帯は28日未明から朝にかけて。午前2時5分までの1時間に長崎市長浦岳で92・5ミリ、午前4時43分までに佐賀市で観測史上最大の110・0ミリ、午前4時51分までに福岡県久留米市耳納山(みのうさん)で8月としては過去最大の72・0ミリを記録した。地域はばらばらだ。

 あちこちで大雨を降らせた積乱雲の「材料」は大量の暖湿気。日本気象協会九州支社の吉竹顕彰気象予報士によると、今回の暖湿気の供給源は三つある。太平洋高気圧から時計回りに、台風12号から反時計回りに、それぞれ南から暖湿気が入り、さらに中国大陸で消滅した「元台風11号」が残した暖湿気も流入。「これで前線が刺激され、あちこちで線状降水帯を形成しやすくなった」とみる。

 福岡管区気象台は27日の段階で「同じ場所で大雨が続く」と予想。同日午後9時から国土交通省九州地方整備局と合同の緊急記者会見を開き、厳重警戒を呼び掛けた。気象台予報課の内山久人主任予報官は「九州北部はトリガー(引き金)さえあれば、積乱雲が湧く状態。雨は長引き、土砂災害への警戒が必要」と緊張感を維持する。

 吉竹気象予報士も、2014年8月に広島市で土砂災害を発生させ70人以上の犠牲者を出した集中豪雨との類似性を指摘。「前線の動きは鈍く、暖湿気も入り続けている。大雨のピークは越えたが、危険は去っていない」と強調した。

 線状降水帯の発生を予測することは、現在の技術では難しい。気象台は、非常に激しい雨が同じような地域で数時間続くような場合には、大雨特別警報を再び発表する可能性があるとしている。

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