焼き物の町 丸ごと観光 波佐見クラフトツーリズム強化へ

西日本新聞 長崎・佐世保版

中尾郷の「文化の陶 四季舎」で、陶器片に絵付けをしてアクセサリーを作る学生 拡大

中尾郷の「文化の陶 四季舎」で、陶器片に絵付けをしてアクセサリーを作る学生

28日の会合には県内外から約50人が参加した

 波佐見町は、伝統産業の波佐見焼を軸に焼き物の技術や文化、食、生活空間を丸ごと観光資源にする「クラフトツーリズム産業」の強化に乗り出した。陶磁器の製作、職人との交流、農業体験など「波佐見にひたる旅」を企画し、外国人観光客も誘致する。経済産業省が支援する。

 波佐見焼の商品を販売するだけでなく、さまざまな体験を旅の魅力に加えることにより、国内外の観光客を増やし、地場産業の活力を高めるのが目的。全国5地域を対象とする経済省のローカルクールジャパン推進事業に選ばれた。

 28日に事業開始を記念する会合が町内であり、経産省、県、町、窯業や観光の関係者ら約50人が出席。事業を中心的に進める西海陶器の児玉盛介会長は「ものを売るだけの産業から一歩踏み出し、地域産業と観光を結びつけた新しいなりわいを次世代に残したい」と意義を語った。国内のもの作りを主産業とする地域と協力し、クラフトツーリズム産業を海外に発信することを構想している。

 当面は専門家に助言をもらい、国際空港でのPRイベント、情報発信に影響力のある人物を招いたセミナーを通して波佐見町の知名度を高め、外国人の好みに合った観光商品づくりを進める。町内の窯業、農業、観光業、行政の連携強化にも取り組む。

 県立大地域産業研究室の竹田英司准教授(地域経済学)は「来て、見て、体験して、お金を落としてもらう。地場産業を観光化する点で、波佐見町は国内で最も先進的だ」と評価。課題として、観光客の消費額、町内の移動手段や宿泊施設が少ないことを挙げた。

 クラフトツーリズムの商品づくりには、若い世代の意見を反映させる。県立大生が波佐見町を繰り返し訪問し、改善点やアイデアを町に伝える。

 今月、陶片を使ったペンダントの絵付けやカボチャの種まきを体験した1年の屋野夏音さん(19)は「都会では体験できないことが観光につながっている」と小旅行を楽しんだ様子。中国の留学生陳松汐さん(21)は「ものを買いに来る観光客が体験もすることによって、旅を楽しむ要素が増える」と話した。

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