「パートナーシップ制度」職員研修で戸惑いも 長崎市が9月導入

西日本新聞 長崎・佐世保版

 性的少数者(LGBT)のカップルを公的に認める「パートナーシップ制度」を来月から導入する長崎市は、制度の内容や狙いについて理解を深め、窓口で適切に対応するための職員向け研修を28、29日に行った。ただ、社会はもとより市役所内でもLGBTへの認識は十分とはいえず、戸惑う声も聞かれた。

 「行政が率先して(LGBTを)認めることで社会の理解が進む。それぞれの部署でどんな対応ができるのか考えてほしい」

 市人権男女共同参画室の担当はこう切り出した。市は昨年6月から先行自治体の事例を研究するなど準備を進めた。性別は「男」と「女」の二つだと認識していた担当者にとっても「常識や考え方を覆された」ことばかりだったという。

 長崎市が導入する制度では、20歳以上のLGBTや男性や女性などさまざまな性のカップルに対し、2人が人生のパートナーとして生きていくことを認める「宣誓書受領証」を発行。法律上の効果は生じないが、受領証には「提示を受けた方は、(多様性を認める制度の趣旨を)ご理解ください」と裏書きされている。

 2日間の研修には管理職や窓口業務を担う約250人が参加。受領証を提示すれば、単身では入居できない市営住宅への申し込みが可能なこと、パートナーの子どもが市立保育所に入所する際には「養育する保護者」として申請できることなどを確認した。

 このほか、申請や相談で窓口に来所したとき、「ご主人」「奥さま」などと異性パートナーであることを前提とした表現は避けることなどを学び、50代男性職員は取材に「ちゃんと対応できるだろうか…」と不安を漏らした。

 市人権男女共同参画室の福田健太郎室長は「周囲が理解することがスタート地点。さらに取り組みを続けたい」としている。 

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ガイドブック作製、基本理念など紹介

 長崎市はパートナーシップ制度を広く知ってもらうためガイドブックを作製した。異なる価値観、多様な生き方を尊重するという制度の基本的な理念などを分かりやすく紹介している。

 市民向けと事業者向けの2種類。市民向けは性的少数者(LGBT)のカップルが受けられる行政サービスなどを例示し、来月から市役所の窓口などで配布する。事業者向けは、いじめや福利厚生からの除外など性的少数者が職場で経験した差別事例を紹介。企業内で理解を深める取り組みの推進を求めている。経済団体などを通じて配る。

 A5判13ページ。各4千部あり、なくなれば増刷を検討する。

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