【動画あり】ちくご珍遺産(4)闇夜に浮かぶ“異世界”

西日本新聞 筑後版

 化学工場が集積するまち、大牟田市。あちこちにそびえる高い煙突からは、昼夜を問わず白煙が上がり、大小のパイプや装置が複雑に絡み合う工場群は、異世界を思わせる景色だ。

 工場群は夜になると無数の照明により、近未来を描いた劇画のような美しい景観へと変貌する。市中心部に広い敷地を構える三井化学の工場群だけでなく、三池港近くの工場も、長い年月を経た重厚な建物や巨大な機械類が光に照らされ、ロマンチックな雰囲気を醸し出す。

 市は2013年3月にまとめた景観計画で、市の土台をつくる「骨格的な景観」を選定。その一つである「都市的景観」に位置付ける資源として、三井化学工場群や三池港などを挙げている。熊本県荒尾市と合同で15年度から実施している「景観発見ツアー」に、17年8月、三井化学工場群の夜景を組み入れたところ、参加した市民から好評を得たという。

 ただ、北九州市の工場群など全国的なスポットと比べれば有名ではない。工業地帯の夜景などを見物する「工場萌(も)え」の人たちが殺到しているわけではない。工場が分散していることや、高い塀や柵に囲まれていたり近くに駐車スペースがなかったりして、誰でも行ける絶好のロケーションが少ないことなどが理由だ。

 それでもこの景観は、戦前から石炭化学コンビナートが発展してきた大牟田市の象徴だ。鉱山は閉山したが、世界に向けた化学工業の拠点都市であることに今も変わりはない。筑紫平野に田園地帯が広がる筑後地域において特異な夜景スポットは、これからも市民の生活とともに生き続ける。

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ