英国で今も「ハートのクイーン」として愛されるダイアナ元皇太子妃…

西日本新聞 オピニオン面

 英国で今も「ハートのクイーン」として愛されるダイアナ元皇太子妃。保育士からプリンセスになった庶民性に加え、奔放な行動とファッションで世界の注目を集めた

▼1997年晩夏、花の都・パリ。パパラッチに追い回された末の悲劇的な交通死亡事故は今も人々の記憶に鮮明である。取材した当時のパリ特派員の先輩によると、彼女は駆けつけた救急隊の医師に英語で「リーブ・ミー・アローン(私にかまわないで)」と言ったそうだ。痛ましい限りだ

▼そんな彼女が「ハートのクイーン」と呼ばれるのは離婚前のテレビでの発言が由来と、明治大の泉順子(よりこ)教授の著書で知った。離婚すれば王妃にはなれぬが「人々のハートのクイーンになりたい」と心境を吐露した

▼離婚後は地雷撲滅活動に心血を注ぐ。亡くなった年にはアフリカのアンゴラで地雷原を歩き、ボスニア・ヘルツェゴビナで地雷の負傷者を見舞った。彼女の突然の死で撲滅運動は高揚し、この年の12月、対人地雷禁止条約が採択された

▼世界になお数千万個が残る地雷。撤去が難しく無差別に人を殺傷する。子どもを引き寄せる菓子やぬいぐるみの形をした物まである。「悪魔の兵器」と呼ばれるゆえんだ

▼ダイアナさんの次男ヘンリー王子は母親譲りで慈善活動に熱心とか。いずれ地雷撲滅にも立ち上がるだろう。きょうは悪魔に立ち向かった「ハートのクイーン」の22回目の命日である。

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