ボランティア始動 油との格闘、長期化も 大雨被災の佐賀県4市町

西日本新聞 夕刊

 記録的な大雨で広範囲にわたって冠水した佐賀県の3市1町で31日午前、ボランティアの受け入れが始まった。鉄工所から流出した油が住宅に入り込んだ大町町では、鼻を突く異臭が漂い、泥混じりの汚れが住民の帰宅を阻む。被災後初の週末、ボランティアの手を借りて復旧の動きが本格化したが、油との戦いは長期化する恐れもある。

 大町町総合福祉保健センター美郷には受け付け開始の午前9時半前に続々とボランティアが集まり、手続きを約40分前倒しした。東京の清掃メーカー社員が油を除去するシート状の吸着材の使用法を実演し、「洗い流さず、床や水に付着した油を拭き取るだけ」と説明した。

 ボランティアは説明を聞くと、車に分乗して被災した民家へ。油まみれの庭にシート状の吸着材を敷き、家具を運び出すなどした。「油が民家を汚す災害は聞いたことがない。仕事柄ごみの分別には詳しいので、災害ごみ分別などで力になれたら」。産業廃棄物処理会社従業員、猪ヶ倉和良さん(50)はテレビで油流出を見て、北九州市八幡西区から車を走らせて来た。

 佐賀市の50代の女性看護師は「同じ県民として手助けしたい」と中学時代の同級生と災害ボランティアに初参加。「高齢者が多いと思うので、自宅の片付け、泥や油の掃除をしようと考えている」と話し、毎週通うつもりという。

 胸の高さまで冠水し、1階が水浸しになった大町町の中島逸子さん(63)の自宅では、ボランティアが床に残る泥水を掃き出したり、水を含んで重くなった家具を運び出したりしていた。中島さんは「夫と2人ではとてもじゃないけど無理。本当に助かります」。

 大町町に隣接する武雄市北方町でも、ボランティアがぬれた家具の搬出や清掃に汗を流した。地元の武雄青陵中1年、秋月香凛さん(13)は自宅が床下浸水するなど自らも被災したが、ボランティア受け付けが始まってすぐに駆け付けた。「自分より大変な思いをしている人がたくさんいる。少しでも役に立ちたい」と話した。 

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