【動画あり】ちくご珍遺産(6)特産品PR“主役交代”

 外皮のぶつぶつ、薄皮のごつごつ、白いスジ、むきかけてこぼれ落ちたかのような房…。みずみずしいミカンの香りすら感じるほど、本物そっくりだ。

 みやま市山川町立山のJAみなみ筑後山川支所前にある強化プラスチック製の巨大オブジェ。土台を合わせた高さは約3・7メートル、幅約5メートル。国道443号を熊本方面に走ると、左手にどーんと鎮座する。

 山川地区は県内有数のミカン産地。特に極早生(ごくわせ)や早生の豊かな甘みに定評があり、年間約6500トンを生産する。オブジェはみやま市商工会やJAが「山川みかん」のPRのため、2012年に設置した。参考にしたのは熊本県天草市にあるデコポンのオブジェ。同じ業者に製作を依頼したが、「本家」よりもやや大きくしたのは後発の意地か。

 ところが実はもっと大きなオブジェがすぐ近くにあり、今は姿を消していた。

 同じ443号沿いの約200メートルほど南。直径約3・5メートル、高さは約13メートルにも及ぶタケノコのオブジェだ。山川地区は県内有数のタケノコ産地でもある。1996年に本物の竹を使い、地元住民が手弁当で製作。だが、国道443号バイパスの建設工事に伴う周辺工事で2009年に撤去された。近くで食料品店などを営む古賀セイ子さん(64)は「大きくて立派だったのに」と懐かしむ。

 その撤去補償費で巨大タケノコを再建…と思いきや、「やっぱり山川の最大の特産品はミカン」と作られたのが現在のオブジェ。そしてこれにもバイパス建設に絡んだ逸話が残る。

 実は開通したバイパス沿いに置く予定だったが、オブジェの完成の方が早かったため「仮り置き」として現在の場所に設置された。だが、選果場や旬の時期に営業する直売所の目印にもなったことから、移設の話は立ち消えになったという。タケノコとミカン。巨大オブジェの変遷に、地元特産品PRの主役交代が垣間見えた。

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