素根、家族が支えた 岡山の大学進学後、母と兄も転居 「東京五輪もみんなで金」

西日本新聞 社会面

 柔道の世界選手権の女子78キロ超級を個人戦初出場の素根輝(あきら)選手(19)が制し、東京五輪代表へ近づいた。今春、福岡県久留米市の南筑高から環太平洋大に進学。母の美香さん(52)と長兄の勝さん(23)が久留米市から大学のある岡山市に引っ越すなど、変わらぬ家族の支えを励みにして頂点に立った。

 決勝は2012年ロンドン五輪金メダルで162センチの素根選手よりも10センチ近く身長が高いオルティス選手(キューバ)を相手に延長で三つ目の指導を引き出して反則勝ち。「何が何でも勝つという気持ちだった」と涙を流した。

 素根選手は小学1年の時、3人の兄が通う久留米市内の道場で柔道を始めた。座右の銘の「3倍努力」は柳川高で柔道をしていた父の行雄さん(57)から「輝も背は高くない。周りより努力しないと勝てない」との思いから贈られた言葉だ。道場から戻った後も美容店を営む父の職場の一室に設けたトレーニング場で夜遅くまで打ち込みや筋力トレーニングなどを重ねた。

 環太平洋大に進学すると、高校時代から練習相手を務める勝さんも岡山市内の整骨院で働きながら引き続き練習をともにする。美香さんは同居し、娘の好物で疲労回復にも良いトンテキを作るなど食生活を支え、精神面のサポートもする。仕事の関係で久留米市に残った行雄さんからは電話や無料通信アプリLINE(ライン)で、独自に調べた対戦相手の組み手や得意技といった情報が送られるようになった。「理にかなったアドバイスをしてくれる」と感謝する。

 今大会、両親はスタンドで応援。試合開始前まで投げ込みの相手を務めた勝さんは「調子が良く緊張もしておらず、いけると思っていた」と快挙に目を細めた。素根選手は「支えてくれる方々に金メダルを見せられた。でも一番の恩返しは東京五輪での金メダル」と早くも来年に目を向けた。

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