西九州観光、大雨困った キャンセル続々、高速通行止め 「佐賀水没」風評も

西日本新聞 社会面

 九州北部を襲った記録的な大雨が西九州の観光に打撃を与えている。佐賀県では「県全体が水没した」との風評が立ち、旅館の予約キャンセルが相次ぐ。長崎県でも高速の通行止めで福岡方面からの観光客の減少を懸念する声が広がる。日韓関係の悪化で韓国人の旅行客が落ち込んでおり、大雨との「ダブルパンチ」に観光関係者が揺れている。

 「道路は通れるのか」「被害は大丈夫か」。8月28日の猛烈な雨で佐賀市中心部や佐賀県武雄市などが冠水する映像がテレビで連日流れると、同県嬉野市の嬉野温泉旅館組合に電話での問い合わせが相次いだ。

 美肌の湯として知られる嬉野温泉。訪日観光客の6割が韓国からだったが、日韓関係の悪化で1割まで減った。大雨による大きな被害はなかったが、旅館の予約は次々とキャンセルに。同28~31日に約300人分の予約を失った旅館もあったという。組合担当者は「報道を見て佐賀県全体に浸水があったように受け止められたようだ」と嘆く。

 福岡方面と西九州を結ぶ長崎自動車道で路面が変形し、武雄北方インターチェンジ(IC)-嬉野IC下り線が通行止めとなったことも響く。今も復旧の見通しは立たない。

 嬉野市の旅館「和多屋別荘」では福岡方面から車で来る客も多く、予約の約3割がキャンセルになる日もあった。宿泊の問い合わせは前年の同時期に比べて2~3割減った。

 秋の行楽シーズンを前に、長崎にとっても痛手だ。

 年間観光客約700万人の半数が車で訪れるという長崎市では10月に一大イベント「長崎くんち」を控える。市観光推進課担当者は「福岡方面からの観光客にかなりの影響が出てくる」と不安を口にする。

 他県から高速道で長崎入りするのに時間がかかるため、長崎県内での修学旅行の行程を短縮する学校も。同県佐世保市のハウステンボスも入場者の減少傾向がみられるという。

 1日の佐賀県災害対策本部の会合で、山口祥義知事は「活力が失われるのは本意でない。旅館は通常営業していると伝えた方がいい。『佐賀全域が水没』という風評もあり、マスコミを通して正確に伝わるようにお願いしたい」と話した。

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