香港中高生、授業ボイコット相次ぐ 中国化に危機感

西日本新聞

 【香港・川原田健雄】香港で新学期が始まった2日、中高生らによる授業ボイコットが相次いだ。「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議活動の一環。学校を休んだ生徒たちは集会に参加し「市民の声を聞かない政府は許せない」と訴えた。暴力的な警察への批判が高まる中、交流サイトでは警察官の子弟を標的にしたいじめを呼び掛ける動きもあり、抗議活動のひずみが浮き彫りになっている。

 授業ボイコットは主要な大学や約200の中学・高校で呼び掛けられた。一部の中高生たちは学校前でビラを配ったり、「人間の鎖」をつくったりして抗議の意思を示した。

 香港中心部のセントラル(中環)で開かれた中高生を対象とした集会には約千人が参加。中学6年(高校3年に相当)の女子生徒(17)は「無抵抗の市民にまで暴力を振るう警察は許せない」と憤り「こんな状態が続くなら将来は欧州に移住したい」と語った。

 マスク姿の中学6年の男子生徒(17)は学校を早退して駆けつけた。「一国二制度のはずなのに、どんどん香港の自由が奪われていく」と危機感をあらわにした。「暴力は良くない」とデモに反対する同級生もいるが「政府を動かすには激しい行動も必要だと説得している」という。

 6月から続く抗議活動は大学生や高校生が中心的な役割を果たしてきた。「若い世代は今後、何十年も香港に住む。自分の将来や次の世代の生活を考えて行動している」。学生団体の元幹部、周庭さん(22)は中国の圧力が強まることへの危機感が若者を駆り立てていると分析する。香港大の6月の世論調査では若者の75%が「自分は香港人」だと回答。香港への帰属意識は高まっている。

 ただ、特定の組織やリーダーがいない活動はネット上の過激な言説に影響されやすい面もある。警察官の子弟を狙ったいじめの呼び掛けは8月ごろ広がった。

 中学3年の男子生徒(15)は「そうでもしないと警察への圧力にならない」といじめの呼び掛けに理解を示した。警察がどんなに暴力的でも、無関係の子弟をいじめるのは間違いだ。記者がそう指摘しても男子生徒は首を横に振った。「だって警察もデモと関係ない市民に暴力を振るっているじゃないですか」。中学6年の女子生徒(17)も呼び掛けに賛同した上で、親が警察官の友人がいると明かした。「だけど彼はいじめない。デモに賛成だから」

 「デモに参加するような意識の高い生徒が実際にいじめることはないと思う。ただ、それほど警察に怒っているということを理解してほしい」。中高生の集会を見守った30代女性は若者の気持ちをそう代弁した。

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