「再審制度 今こそ改正を」 松橋、大崎事件の弁護士ら訴え 熊本市

西日本新聞 熊本版

 刑事事件の再審制度の課題について議論するパネルディスカッションが8月31日、熊本市中央区桜町の市民会館シアーズホーム夢ホールであった。3月に再審無罪が確定した松橋事件と、6月に最高裁が再審開始決定を取り消した大崎事件の担当弁護士らが登壇。実体験を基に再審制度の改正の必要性を訴えた。 

 大崎事件弁護団の鴨志田祐美弁護士は、証拠開示について、裁判官ごとに対応が異なる「再審格差」を指摘。「開示に積極的な裁判官は、検察側が後ろ向きでも開示を勧告し、結果、証拠が大量に出てきたことが何度もあった」と述べた。

 通常の裁判と違い、弁護側は警察や検察が保管する証拠リストすら閲覧できないため、「こんな証拠もあるはず」と手探りで開示請求せざるを得ない上、「必要性がない」と請求を退ける裁判官もいるという。

 松橋事件など多数の再審事件を手がける野嶋真人弁護士は、非公開の請求審が中心となっている点を挙げた。再審事件は請求審だけで何十年もかかるケースが多いが、現行制度では請求中に本人が死亡すると請求は取りやめになる。請求中に本人が亡くなった経験も踏まえ、野嶋氏は「何十年もかけて準備しているのに、継承の手続きがないのは法の矛盾」として法改正の必要性を強調した。

 日弁連では10月の人権擁護大会のテーマの一つを「再審」と決定。「再審における証拠開示に関する特別部会」も近く拡大し、国への新たな意見書提出に向け準備中だ。鴨志田氏は「法改正するなら今しかない。再審が抱える問題点を広めてほしい」と聴衆に訴えた。

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