撤去の石橋 広場で活用 日田市夜明地区 来年度にも完成へ

西日本新聞 大分・日田玖珠版

撤去される石橋「大肥橋」。石材はモニュメント広場に活用される 拡大

撤去される石橋「大肥橋」。石材はモニュメント広場に活用される

住民有志が大肥橋近くに設置した感謝の幕

 2年前の九州豪雨で溢水の一因になったとして撤去される日田市夜明地区の石造アーチ橋「大肥(おおひ)橋」について、県は橋近くに記念広場を整備し、石材を活用して石橋の記憶を伝えるモニュメントを設置することを決めた。11月から撤去工事に入り、20年度中の広場の完成を目指す。

 筑後川本流に注ぐ大肥川に架かる大肥橋は1899(明治32)年に造られた。長さ26・8メートル、幅4・6メートルで、1953年の筑後川大水害など幾多の災害にも耐えてきた。しかし2017年の豪雨では増水した川の断面を狭め、周辺に水があふれ浸水被害をもたらす一因になった。このため県日田土木事務所は、河川改良工事に伴い撤去する方針を決めた。

 大肥橋は文化財指定は受けていないものの、全国的に珍しい平たいアーチ部がある石橋で、一部住民や歴史愛好家から「地域の歴史を伝える大切な文化遺産だ」として移設や保存を求める声が出た。県は地元と協議を重ね、橋の撤去後にモニュメントを置いた広場を整備することで合意した。

 モニュメントは、石材を埋め、地表面に橋の一部を再現する。広場の囲いやベンチにも石材を使い、橋の名が記された要石を展示する方針で、橋の歴史や撤去の過程を伝える案内板も設置する予定。

 大肥橋の価値を見直そうと有識者を招いた講演会を開いた「夜明史談会」の森山雅弘代表を含む地元有志は、8月から橋の近くに「ありがとう!大肥橋」と書いた幕を掲げている。撤去工事前の10月には橋とのお別れ会を開き、橋の記念カードを配布し、撤去が始まる11月には工事を見守る会も計画している。

 森山代表は「地元の要望を受け入れてもらって、橋の歴史が残るようになったことはありがたい。別れを惜しみながら大肥橋を記憶にとどめたい」と話した。

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