犯罪被害者救済へ前進 県、損賠再提訴補助5日開始

西日本新聞 ふくおか版

 殺人など重大事件について、被害者側が起こした損害賠償請求訴訟の費用を助成する県の制度が5日、運用開始する。4月施行の県犯罪被害者等支援条例に基づく制度で、勝訴判決が確定しながら支払い義務が履行されていない訴訟の再提訴の費用を補助。費用がネックとなり再提訴をためらったまま、10年の請求権が時効を迎える例もあり、県は制度を周知して現状改善につなげたい考えだ。

 県によると、同様の制度を導入している都道府県は、福岡県以外では大阪府だけで、全国的にも先進的な取り組みという。

 事件後の損害賠償を巡っては、敗訴した加害者側が長期間、支払いを怠る例が問題となっている。再提訴は、その時点から請求権の時効が10年延長され、加害責任を負わせ続ける上で有効とされる。ただ、再提訴には請求額によって申し立て手数料に数十万円が必要となり、被害者側の負担軽減が課題となってきた。

 利用対象は再提訴時に県内に在住している殺人事件の遺族や、心身に重い後遺障害をもたらす傷害事件などの被害者やその家族、遺族、提訴権の相続者。申請者の収入が、児童手当支給要件額を超える場合は助成制度を利用できない。

 一つの損害賠償請求の事案につき、再提訴時の申し立て手数料の実費を1回だけ助成し、上限額は32万円(請求額1億円の申し立て手数料額に相当)。県は本年度分の補助として64万円の予算を確保している。

 運用開始に合わせ、福岡犯罪被害者総合サポートセンターの無料相談窓口も拡充。既存の福岡と北九州の窓口に加え、筑豊と筑後地区にも開設し申請しやすくした。県生活安全課は「市町村や民間支援団体とも連携し、制度の周知に努めたい」とする。

 詳細は県生活安全課のホームページで閲覧できる。同課=092(643)3124。

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