【ひと】国際シンポで慰安婦問題議論 エドワード・ヴィッカーズさん

西日本新聞 総合面

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エドワード・ヴィッカーズさん

 九州大人間環境学研究院の教授として旧日本軍の慰安婦問題など、東アジアで第2次大戦の記憶がどう教育・継承され、国際政治に影響しているか、研究を続けている。

 研究に関連した国際シンポジウムを5、6日に福岡市早良区の九州大西新プラザで開催。慰安婦問題の協議(5日午後1時45分)で進行役を務め、日韓中豪の研究者に英語で議論してもらう。慰安婦問題を巡る論争の記録映画「主戦場」のミキ・デザキ監督も参加する。

 「徴用工」問題などで日韓関係が悪化。市民感情も微妙な時期だが、「国家間の駆け引きとは別に、研究者や市民が自由に意見交換することは大事だ」と力を込める。

 日本は原爆、韓国は慰安婦と徴用工問題、中国は南京大虐殺と、それぞれ戦争の傷を抱える。「史実は史実として加害責任があれば受け入れるべきだ。ただ、被害者意識が国家主義と過度に結びつくと、相互理解の障害となる」。こう考えている。

 英国出身。オックスフォード大で大英帝国の植民地の歴史を学んだ。中国の出版社で英語教科書を執筆したが、日本文化を紹介した記述が拒まれ、反日感情に触れたのが研究の原点だ。2012年からは九大を拠点に研究する。

 「慰安婦問題をフェミニズムの視点で捉え直す必要もある」と新たな視点も追究する。「当時の朝鮮半島や中国にも女性差別は同様にあり、慰安所運営に協力した者もいたとされる。望まずに慰安婦にされた日本の女性もいる」。妻、男児2人の4人家族。48歳。

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