【世界のミカタ】インドネシア 国連ハビタット福岡本部職員 ハシムさんに聞く サッカーの後は温泉に 助け合いの文化と宗教

西日本新聞 こども面

インドネシアの伝統衣装、バティックを着たハシムさん。バティックはスーツと同じような正装として着られているという。帽子はコピアーと呼ばれている 拡大

インドネシアの伝統衣装、バティックを着たハシムさん。バティックはスーツと同じような正装として着られているという。帽子はコピアーと呼ばれている

インドネシア地図 世界第4位の人口を誇るインドネシアの首都ジャカルタの中心部 ハシムさん(前列右から2人目)と家族。末っ子の娘は福岡市で日本の小学校に通い、ほかの5人のきょうだいもインドネシアやマレーシア、ドイツで仕事や勉強にはげんでいるという(インドネシア・バリ島) ジャカルタにあるキリスト教の大聖堂。多民族国家らしく、すぐ反対側には2万人近くが入る大きなイスラム教のモスク(礼拝所)がある 北スマトラ地域名物でココナッツミルクを使った川魚のカレー。緑色のスープのような料理はキャッサバ芋の葉を香辛料を使って煮込んだ一品 ありがとう(インドネシア語)タリマカシ

 今回の「世界のミカタ」は世界第4位の人口を誇るインドネシアを紹介します。バリ島など1万3000以上の島々から成り、約300の民族が暮らす多文化の国です。スマトラ島北部のマンダイリンナタル県出身で、国連ハビタット福岡本部職員のハシムさん(55)に話を聞きました。

【紙面PDF】インドネシア 国連ハビタット福岡本部職員 ハシムさんに聞く

 「私のふるさとにはなんでもありますよ」。ハシムさんは次々と説明した。「食用や燃料になるパーム油、タイヤの原料のゴム、お米や野菜などの農業、鶏や水牛などの畜産業も盛んで、金も採れますよ」。両親はゴム農場などを経営し、「子どもの頃は農場でゴムを採って売り、お小遣いにしていた」と振り返る。

 日本と同じように火山が多いため温泉もある。7人兄弟のハシムさんは「みんなでサッカーをした後は近くの温泉で汗を流した」と懐かしむ。両親は高校の先生もしていたため、家には本がたくさんあった。義務教育だけど、小中高校でも国家統一試験があり、合格しなければ卒業や進学ができない。「読書のおかげで成績はいつも学年トップでしたよ」とハシムさん。

 大学院を卒業し、経済ジャーナリストや金融関係の仕事を経験。「どちらも金持ちがもっと金持ちになるための職業だと感じた。それでは自分は満足できなかった」と貧困や不正とたたかうことを目指す国連機関の仕事に就いたそうだ。ハシムさんは仕事以外でも親戚の大学の学費を払い、児童養護施設に寄付するなど、稼いだお金の多くは人のために使っているという。「困っている人を助けることは文化的にも、宗教的にも当たり前のことです」

●こどものQ

 インドネシアはイスラム教を信じる人が世界で一番多い国だ。ハシムさんもイスラム教徒で1日5回のお祈りを欠かさない。ふるさとの近くにはキリスト教徒が多く住む地域もある。「学校では算数や理科と同じように、自分の宗教について学ぶ科目もある。私たちはお互いの宗教を尊重し、仲良く暮らしています」。ハシムさんは優しそうに笑った。

 はい。私はマンダイリン族で、さらに細かく言うとハシブワンという人々のグループに属します。公式な名前はハシムだけですが、地元の同世代の友人はハシブワンと呼びます。「名前は一つだけ?」とよく聞かれるので、自分の名刺には「ハシム・ハシム」と書いていますよ。

    ×      ×

国名 インドネシア共和国
首都 ジャカルタ
面積 191万931平方キロ
人口 2億6679万人(2018年推定)
通貨 ルピア
宗教 イスラム教87.2%、プロテスタント7%、カトリック2.9%、ヒンズー教1.7%、仏教0.7%、儒教0.1%(2013年)
住民 大部分がマレー系。ジャワ、スンダ(西ジャワ)、バタック(北スマトラ)など約300民族。中国系1.2%
言語 公用語はインドネシア語。民族の言語は推定で700以上

 ※共同通信社「世界の年鑑2019」より

PR

PR

注目のテーマ