「不便で仕方ない」車が水没…生活の足奪われた被災者 修理追いつかず 九州北部大雨

西日本新聞

 九州北部を襲った記録的な大雨から4日で1週間を迎えた。佐賀市や佐賀県武雄市、大町町などでは多くの車が浸水で動かなくなったが、車の修理は進まず、代車の確保もままならない状況に陥っている。車保有数が1世帯当たり1・52台と九州トップで、移動を車に頼りがちな地域。被災住民から「車がないと生活できない」との声が上がる。

 「買い物に行くのにも不便で仕方がない」。武雄市北方町の北伸子さん(64)は、自宅近くに駐車していた車が水に漬かって故障。修理を頼んだ販売店からは「代車を出すのに時間がかかる」と言われた。罹災(りさい)証明書の申請受け付けが市で始まったものの、約6キロ離れた市役所までが遠い。

 大雨に見舞われた8月28日、県内の道路などが広範囲に冠水。通勤時間帯にも重なり、走行中に動かなくなる車も相次いだ。

 浸水した車の正確な数は不明だ。被災車両などの買い取り・販売会社「タウ」(さいたま市)は「損害保険会社などへの聞き取りから、1万台に及ぶとみられる」と明かす。

 被災者は一刻も早い車の利用再開を望むが、そうはいかない。自動車整備を手掛ける大町町の「オートガレージディースタイル」が本格営業を再開したのは2日。本山尚弘代表(42)は「工場が浸水し車を運び込めなかった」。県内の別の工場でも、車両積載車や修理機器の故障が続出した。

 なかなか代車も届かない。トヨタレンタリース佐賀(佐賀市)は被災者が加入する保険会社などの依頼を受け、約300台を既に貸し出した。福岡県のグループ会社などから約200台を手配してもらっても足りず、さらに200台を追加要請した。

 修理か廃車かの判断がつかなければ先に進めない。車の解体業者などでつくるNGP日本自動車リサイクル事業協同組合(東京)によると、保険会社が武雄市の土地約2800平方メートルを確保。組合が浸水した車を運搬し、整備会社などが修理すれば使えるのか、廃車しかないのか判断する。300~400台が運び込まれる予定で、組合は「全ての判断を終えるのに最短で1カ月程度。引き取り依頼が相次いでおり、さらに水没車が増える可能性もある」という。

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