「レッテル貼りはやめましょうよ」…

西日本新聞 オピニオン面

 「レッテル貼りはやめましょうよ」。森友、加計(かけ)学園問題で追及された安倍晋三首相がよく言っていた。分かりやすい言葉で特定の(専ら悪い)印象を植え付けるのはよろしくない、ということだろう

▼もっとも、首相自身は演説をやじった聴衆を「こんな人たち」と呼び、「悪夢のような民主党政権時代」と繰り返す。菅義偉官房長官なら、レッテル貼りとの批判は「全く当たらない」「全く問題ない」と断じそうだが

▼こちらは、全くもって「レッテル貼り」で「問題あり」だ。週刊ポストが、韓国人の10人に1人は治療が必要なほど「憤怒調節」ができない、などとする記事を掲載した

▼元徴用工問題などを巡る韓国の文在寅(ムンジェイン)政権の対応は不愉快な点も多い。政治や権力に厳しい目を向けるのはメディアの役割でもある

▼しかし、国民や民族をひとくくりにし、悪意あるレッテルを貼っておとしめる行為は決して許されない。差別や人権侵害にもつながる。編集部は「配慮が足りなかった」と謝罪した。当然だが、ひどい言葉で偏見をあおり立てれば雑誌が売れるという風潮にぞっとする

▼エチケットは、元はフランス語で値札(ラベル、レッテル)を指す。宮廷を訪れた人が取るべき行動を記した通用札をこう呼んだことから、礼儀を意味するようになったという。隣人との付き合いも適切なエチケットを保ちたい。悪(あ)しきレッテル貼りはやめましょうよ。

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